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人生100年時代とはいえ、人はいつかは亡くなるもの。それは自分の両親だって例外ではない。旅立った家族との思い出を大切にしておくためにも、きちんと「家じまい」をしていこう。

 

そこで、今回は専門家の教えをもとに「後悔しない家じまい」について考えていきたい。あるじを失った実家を放置しておけば、思いもよらない出費がかさむだけでなく、残されたきょうだいの間での不和の原因にもなりかねない。そうした事態を避けるためのヒントはどこにあるのかーー。

 

■売るの? 貸すの? 家の処分の方向性を決めよう!

 

「実家をどう処分するかを判断する際に、まず分かれ道になるのが、『売れる物件』なのか、それとも『売るに売れない物件』なのか。さらに、マンションか一戸建てか、立地はどうなのか。これらの条件によって、おのずと処分の方向性は決まってきます」

 

こう話すのは住宅評論家の櫻井幸雄さんだ。

 

「『売れる』という観点では圧倒的にマンションが有利。買い物に便利な場所で、冬でも雪かきなどの手間がかからないマンションへの住み替えを希望する高齢者の需要があるからです」(櫻井さん・以下同)

 

ではあなたの実家はどうか。

 

「売るか貸すかの選択ですが、賃貸にするには、『立地条件がよい』ことが大前提。沖縄や軽井沢といったリゾート地ならば民泊などの展開も可能ですが、過疎地では借り手を確保するのは難しい。住みたいという親戚や知人が現れればラッキーでしょう」

 

とはいえ、そうそう都合のよい立地ばかりではないし、かといって、売却しようにも、冒頭のような条件にあてはまらないケースも、当然ある。

 

「売るに売れない物件で、かつほかの財産も見当たらないなら、相続放棄という選択もあります。相続人の死後3カ月以内の迅速な手続きが必要ですが、視野に入れておいてもいいでしょう」

 

なんとか売れそうだという場合は3つの選択肢があるが、一般的なのは地元の不動産業者に託して買い手を探すケース。

 

「いつ売れるかは運もありますが、内見したときに見栄えがよいほうが有利です」

 

比較的手離れがいいのは不動産業者に買い取ってもらう方法だ。

 

「広めの一軒家であれば、更地にしたうえで複数の建売住宅を建築して販売することができるので、郊外の立地でも買い取ってもらえる可能性が高くなります。時間も手間も省けますが、一般の人に売るより安くなるのが普通です」

 

買い手がつきづらい過疎地の場合は、隣近所に声をかけて口コミで買い手を探す方法も。

 

「まずは、気心の知れたご近所に。買いたいと思っていた、という人がいて、話がトントン拍子に進むかもしれません」

 

売るのか、貸すのか、放棄するのか。じっくり検討してみよう。

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