「消火器はリビングに!」老親の火災死防ぐ実家の“火の用心”チェック11
画像を見る こたつの中に布団を押し込んで起きた出火事故の再現実験映像(提供:製品評価技術基盤機構/写真:時事通信)

 

□ こたつの中で洗濯物を乾かしていないか

 

こたつの中にたくさんの洗濯物を重ねた状態で乾かすのは非常に危険。可燃性の衣類だと、長時間ヒーター部分に接触している場合、発火する可能性がある。朝、温かいズボンや服を着たいからと、就寝前に衣類をこたつの中に入れて寝るのもNG。

 

□ コンセントのまわりにほこりがたまっていないか

 

コンセントのまわりにほこりがたまっていると湿気によって電気が走り、ほこりに熱がたまって発火し、さらにまわりのほこりに着火する可能性がある。年末に実家を掃除する際、ソファ、テレビ台などの裏にあるコンセントまわりのほこりもしっかり清掃すること。

 

□ 電化製品のコードが重い家具の下敷きになってないか

 

電化製品や電源タップのコードなどを重い家具の裏側に通して、できるだけ目立たないようにしている家庭は多い。だが、家具を前後に動かしたりする際、コードが家具に踏まれたり、はさまったりしてしまうことも。放置しているとショートして出火する可能性がある。

 

□ たこ足配線をしていないか。

 

1つの電源タップにたくさんの電源コードなどを接続して、たこ足配線をしている家庭も多い。だが、電源タップの容量を超えるワット数(消費電力)の電気を使うと、電源タップが過熱して出火する危険がある。コンセントを2カ所以上に分けて電源タップを使う。

 

□ 寝たばこはしていないか。

 

ベッドやふとんの近くに灰皿があるのは、寝たばこをしている証し。絶対にやめさせよう。居間の灰皿も水が入れられるものに替えるか、灰皿の横に水が入った容器を置き、吸殻を水に浸けてから灰皿に入れるようにする。ガラス製の灰皿はNG。消し忘れによってほかの吸い殻に火が移り、熱でガラスが割れると、周辺の可燃物に燃え広がってしまう。

 

□ 住宅用火災報知器を設置しているか

 

2011年6月から一般住宅にも設置することが義務付けられている火災報知器だが、実家がそれ以前に建てられている場合、まだ設置していない家も多くある。寝室やキッチンだけでなく、2階に寝室がある場合は階段にも付けることが望ましい。持ち家であれば、火災報知器を自分で購入して設置することもできる。

 

□ 消火器がリビングに常備してあるか

 

消火器は小さなボヤ程度であれば鎮火できるが、天井まで炎が上がっている状態だと噴射しても完全には消えない。家族が生活上でいちばん使うリビングの目に付く場所に常備し、火災発生時に、自分たちが逃げる動線上の火を防ぐために使うことを意識しておく。

 

火災は予防するに越したことはないが、万が一、発生した場合は、命を守るための行動をとる必要がある。

 

「火災が起きたら、どういうふうに逃げるか。高齢の場合は、できるだけ外に避難しやすい部屋で就寝してもらうのがベストです。そして避難経路の動線をふだんから意識することも重要。さらに外に避難したら、どんなに大切なものを置き忘れたとしても、絶対に取りに戻らないことです」

 

たとえふだんあまり会話をしない親とでも、年末年始は、一緒に火災予防の話題で盛り上がる機会にしてもらいたい。

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