今は後悔しているという碇容疑者(写真:共同通信) 画像を見る

瀟洒な一戸建ての2階には大きなベランダがあり、駐車場の奥には芝生の庭が広がっている。

 

「以前は、子供たちの楽しそうな声も聞こえてきたんですけどね……」(近所の住人)

 

いまは楽しそうな声どころか、人の気配も消えている。この家にはかつて、碇利恵容疑者(39)や5歳で命を絶たれた翔士郎くんが暮らしていた。

 

福岡県篠栗町、人口3万ほどのこの町がにわかに注目を集めたのは、3月2日、碇容疑者と赤堀恵美子容疑者(48)が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されてからだ。2人は子供が同じ幼稚園に通う保護者同士として知り合った。両容疑者を知るAさんはこう語る。

 

「利恵さんは、3人のお子さんたちのいいお母さんでした。お友達が家に遊びに来ると、みんなを優しく見守っていて……。利恵さんのご主人も子煩悩で、夏になると庭にプールを出してあげたり、本当に絵に描いたような幸せな一家だったんです」

 

そんな家族の運命が狂い始めたのが5年前の’16年4月。

 

「利恵さんと赤堀さんの2番目のお子さんたちが幼稚園に入園したんです。でも赤堀さんは以前に幼稚園とトラブルになったこともあって、彼女と友達になろうとするママはいませんでした。そんな様子をかわいそうに思ったのか、利恵さんが自分のママ友グループに誘ってあげたんです」

 

当時、碇容疑者はAさんにこう語っていたという。

 

「赤堀さんに声をかけてみたんだけど、話してみたらけっこう面白い人だったよ」

 

だが2人が急速に距離を縮めていくうちに、どんどんグループから仲間が減っていった。その理由についてAさんが続ける。

 

「赤堀さんは悪口を言うことも、ウソをつくことも平気な人でした。5年ほど前の保護者の親睦会でのことです。赤堀さんは“ゆうな”と名乗り、『こう見えても30歳です』と言っていました。でも今回の報道で、本名は恵美子で年齢も48歳だったと知って、あきれてしまいました。サバ読みどころか名前も全然違うじゃないですか。

 

赤堀さんと付き合うようになってから、利恵さんの言うこともおかしくなっていきました。

 

『赤堀さんから聞いたんだけど、あの人、本当は腹黒いらしいよ』とか、『赤堀さんが言ってたけど、あの人、すぐキレるから気をつけたほうがいいよ』とか……。彼女から何か吹き込まれたのか、1年後には私のことも無視するようになったんです」

 

赤堀容疑者は、次第に碇容疑者をコントロールできるようになっていったというが、それはママ友同士の人間関係を使った狡猾な手口によってだった。

 

「『あなたの子供が、ほかの子に砂を投げて、トラブルになっているけど、私が示談にしてあげる』などと、’18年春ごろから金銭を要求するようになったのです。

 

その後、赤堀容疑者は孤立させた碇容疑者に対し、共通のママ友の1人を“暴力団と関係のある人物”に仕立て上げます。『ボスが監視カメラで見張っている』『ボスが食べすぎだと言っている』などと言って、食事を制限するようになったわけですが、狭い人間関係をうまく利用していたようです」(全国紙・社会部記者)

 

’19年5月、赤堀容疑者は碇容疑者を離婚させることに成功しているが、それにもママ友の存在を利用していた。

 

別の知人Bさんによれば、「『ご主人が○○さん(※ママ友)と浮気している』と、信じ込ませたんです。もちろん浮気相手に仕立て上げられた女性は怒って、警察にも相談したそうです」

 

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