_dsc8056「子供を確実にダメにしたいなら構いすぎればいい」

 何かの本で読んだこの言葉を戒めとし、できるだけ翔子さんを自立させたいと考えている泰子さん。

幼いころから、「ダウン症だからできない」という枠にはめず、いろんなことに挑戦させたので、翔子さんは実に好奇心旺盛で、趣味や特技は多彩。そしてとっても神出鬼没な女性なのだ。

ある週のスケジュールは、

●月曜、太極拳、バレエ

●火曜、書道の本部 泰書會

●水曜、パソコン教室

●木曜、自宅書道教室で助手

●金曜、ストレッチ

●土曜、教会でのご奉仕、和太鼓、油絵

●日曜、教会の礼拝

さらに、翔子さんは、一人カラオケの先駆け。時間が空くと、行きつけのカラオケボックスで、たいてい6時間くらい滞在してしまう。

「長時間いるから、割引もしてもらっています。得意な曲は「耳をすませば」の『カントリーロード』」

という翔子さん。アニメソングが好きで、新機種を使ってみるのが楽しみ。あるときは少々使い方を失敗したのか、2万8千円という高額料金になってしまい、泰子さんをビックリさせた。しかしこれもなんとか値切って安くしてもらったという。

 メカにはめっぽう強い翔子さんは、パソコンや、携帯、ゲームなどのツールも新機種に目がない。翔子さんからのメールを、泰子さんは1日5通ほどは受け取るという。

《お母様、愛してる、お仕事が頑張ってね》

「翔子の頭の中って、愛情がいっぱい詰まっているようなところがあって」

 と泰子さんがいうように、愛情は泰子さんだけに向けられるわけではない。

 道を歩けば杖をついたお年寄り、車椅子に乗った人など、弱い人が非常に気になってしまい、声を掛けたり、手を貸さずにいられないという。

ホームレスの人を見つけると、

『大丈夫なの? パワーあげる!』

といって話し込んでいたりもするという。

「困っているらしいと感じると、もう自分が、なにかしてあげたくて仕方がないような性格なのです」と泰子さんはいう。

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