何かの本で読んだこの言葉を戒めとし、できるだけ翔子さんを自立させたいと考えている泰子さん。
幼いころから、「ダウン症だからできない」という枠にはめず、いろんなことに挑戦させたので、翔子さんは実に好奇心旺盛で、趣味や特技は多彩。そしてとっても神出鬼没な女性なのだ。
ある週のスケジュールは、
●月曜、太極拳、バレエ
●火曜、書道の本部 泰書會
●水曜、パソコン教室
●木曜、自宅書道教室で助手
●金曜、ストレッチ
●土曜、教会でのご奉仕、和太鼓、油絵
●日曜、教会の礼拝
さらに、翔子さんは、一人カラオケの先駆け。時間が空くと、行きつけのカラオケボックスで、たいてい6時間くらい滞在してしまう。
「長時間いるから、割引もしてもらっています。得意な曲は「耳をすませば」の『カントリーロード』」
という翔子さん。アニメソングが好きで、新機種を使ってみるのが楽しみ。あるときは少々使い方を失敗したのか、2万8千円という高額料金になってしまい、泰子さんをビックリさせた。しかしこれもなんとか値切って安くしてもらったという。
メカにはめっぽう強い翔子さんは、パソコンや、携帯、ゲームなどのツールも新機種に目がない。翔子さんからのメールを、泰子さんは1日5通ほどは受け取るという。
《お母様、愛してる、お仕事が頑張ってね》
「翔子の頭の中って、愛情がいっぱい詰まっているようなところがあって」
と泰子さんがいうように、愛情は泰子さんだけに向けられるわけではない。
道を歩けば杖をついたお年寄り、車椅子に乗った人など、弱い人が非常に気になってしまい、声を掛けたり、手を貸さずにいられないという。
ホームレスの人を見つけると、
『大丈夫なの? パワーあげる!』
といって話し込んでいたりもするという。
「困っているらしいと感じると、もう自分が、なにかしてあげたくて仕方がないような性格なのです」と泰子さんはいう。
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