9月27日、厚生労働省が「セクシャル・ハラスメントは異性に対する言動だけでなく、同性に対するものも含まれることを指針に明記する」と発表した。指針では、結婚していることを理由として女性(男性)だけを職種変更させることなども差別と規定するようだが、ほかにも同性によるさまざまな言動に苦しむ女性は多い。

 

「男性誌で“女性器”の特集をやるたび、ニヤニヤ読んでいる40代の先輩。『これなら私のアソコもまだまだ現役ね!』とか、大きな独り言が不快です」(25・販売)

 

「『まだ子どもを産まないの?』としつこく聞いてくる40代の先輩。そして『昨夜は頑張ったの?』なんて毎朝言ってくる!不妊症に悩んでいるのに、傷口に塩を塗られているようでたまりません」(34・事務)

 

これが男性なら大問題に発展しそうなことも女性同士だと判断に悩むもの。罪の意識がない分、女性のセクハラはやっかいだ。しかし、産業カウンセラーの大美賀直子さんは「男性からされて不快に思うことは、女性同士でもセクハラです」と語る。

 

「性的な言動が原因で、受け手が職場環境を不快と思うようなら立派なセクハラ。体調が悪い人に『欲求不満じゃないの』などとからかうことも該当します」

 

もしもひどいセクハラをされた場合、具体的にどのような手順を踏んだらいいのだろう。

 

「実は不法行為の存在を証明するのはとても大変。女性同士ならなおさらスキンシップとの線引きが難しい。お気持ちはわかりますが、すぐに訴訟を起こしても、必ず勝てる保証はありません」

 

そう話すのは、労働問題に詳しい刈谷龍太弁護士(アディーレ法律事務所)。刈谷弁護士は、訴訟より、まずは本人に「やめてください」と忠告してみることを。あるいは正義感の強い同僚や先輩を味方にして対抗することを勧める。また、仲間がいない場合には、会社の相談窓口を訪ねるのも有効な手段だという。

 

「厚生労働省では、すべての事業主に対しセクハラ相談窓口の設置を義務付けていて、パートなど非正規雇用者も対象です」(刈谷弁護士・以下同)

 

さらには各都道府県の労働局や労働基準監督署、弁護士に相談を。

 

「訴訟を検討しているのなら、証拠を集めることも重要です。日記も証拠にならないわけではありませんが、よほど詳しい記録がないと難しい。日常的に嫌がらせが続くなら、相手の発言を録音しておくのがいちばんです」

 

同性同士でも、嫌がる行為を執拗に繰り返せば立派なセクハラ。勇気をもって立ち向かいたい。

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