ヤマザキマリさん「リモート作業は慣れっこだったけれど…」

自粛生活が徐々に解除され、「アフター・コロナ」の世界へ向けて。世の中の価値観や働き方が見直されるなか、私たち女性はどう生きるべきか−−今こそ新たな視点を持ち、主体性を持って発言・行動するときです。そこで、コロナの時代を生き抜く女性たちへの提言。

 

■漫画家・ヤマザキマリさん(53)

 

「海外で暮らしながら日本の漫画連載をしていた経験があるので、リモート作業にストレスはありません。でも……」

 

そう自粛生活を振り返るのは、『テルマエ・ロマエ』などのヒット作で知られる漫画家のヤマザキマリさん。

 

「家の中で漫画にばかり向き合っていても、士気が高まらなくて。持て余した時間にテレビをつければコロナの情報が押し寄せ、不安ばかりが募っていました。みなさんもきっと同じで、精神的な疲弊が蓄積して、子どもに怒ってしまったり、夫とのケンカが増えたりしたのではないでしょうか。心にゆとりがなくなると、想像力が衰え、視野がせまくなり、寛容性もなくなってくる。熟考されないまま誰かを攻撃したり、誰かの言葉を妄言してしまいます。だから、SNS上で人を死に追い込む書き込みや、自粛警察が顕在化するように思います」

 

そんなときこそ、心の癒しとなり、想像力と寛容性をきたえるツールとして欠かせないのが、本、音楽、映画など、人々の考えが凝縮された表現作品だという。

 

「自分でコントロールできない物語の世界では、思いがけない出来事、予期しない人に出会えます。人の心を深く読み取り、物事を俯瞰できれば、どんな情報を前にしても、冷静に受け止められるはず。今後もコロナと共生しなければなりませんが、今が“メンタルの経験値”を上げる機会とポジティブにとらえ、数多くの表現作品に触れてみてはいかがでしょう」

 

「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載

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