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「日本の社会は『男性が仕事しやすい、生きやすい』ための設計で今日まできました。日本男性の特徴は、『群れる』ところですよね(笑)。たとえば女性が同席している会が終わった後に男性だけで『飲み直そう』なんて出かけるでしょう、フフッ。そういう男性に偏った社会は、かえって壊れやすいと思うんです」

 

そう話すのは、小池百合子都東京都知事(65)だ。確かに、日本は世界でもっとも男女格差が激しい先進国の1つである。

 

世界経済フォーラムが発表した最新’17年度の「男女格差報告」では、日本は対象144カ国中114位と、過去最低を更新。さらに、列国議会同盟の発表した’18年の報告書では、衆議院議員の女性比率10.1%は、193カ国中158位なのだという。

 

「だから、『候補者男女均等法』が成立した16日の夜、野田聖子さんに、『おめでとう!』とお祝いメールをしました。国会議員時代、私は野田さんと一緒に、女性議員数の拡大をはじめ、男女共同参画の課題について取り組んできました。それを野田さんが継続されてきた成果が、形になった瞬間だったんです」(小池都知事)

 

5月16日、野田聖子総務大臣兼女性活躍担当大臣ら、与野党の議員の尽力によって、「候補者男女均等法(政治分野における男女同参画の推進に関する法律)」が成立した。これはどのような法律なのか。女性の労働問題に詳しい圷由美子弁護士が解説してくれた。

 

「国会や地方議員の選挙時に、政党や政治団体は男女の候補者数をできる限り均等にすべきという“努力義務”を定めた新法です。『政治は男がやるもの』とする古い慣行に風穴を開けたことは快挙です。しかし強制力はなく、自主性に委ねられるため、国民は各党の多様な民意の取り入れへの本気度を比較し、チェックする必要があります」(圷さん)

 

ともあれ、公布と同時に施行されたこの法律は、女性参政権がなかった時代から今日まで、「権利の拡大」のために闘ってきた、小池都知事を含む女性たちのバトンタッチの末に実現したものだ。

 

日本社会は、政治家だけではなく、大学の学長や研究者などにも、極端に女性が少ない状況が続いている。しかし、その男性優位に偏った社会が、ほころびを見せている。

 

最近では、財務省の福田淳一事務次官や東京都狛江市の高橋都彦市長のセクハラ辞任が大きく報道された。いずれも、最後までセクハラの認識がなかったと主張していた共通点がある。

 

「男性ばかりの中にいると、見えないものがいっぱいあるというのを、この件は教えてくれています。女性の感覚、あるいは常識的な感性というものが、わからなくなってしまうのは、男たちが群れて、権力を握っている弊害です」(小池都知事・以下同)

 

さらに、福田氏をかばった麻生太郎財務大臣の「セクハラ罪という罪はない」という妄言はこうバッサリ。

 

「『セクハラ罪という罪はない』=『セクハラOKなんだ』という論法は、もう笑ってしまいますよね!」

 

と言いつつ、小池都知事の目は笑っていない。群れる男たちを変えるのもまた、女性議員の役割だと小池都知事は語る。

 

「女性議員には、『何かをやり遂げたい』という、明確な目標を持っている人が多いと感じています。『代議士のバッジをただつけたい』という野望で政界に進出して、いざバッジをつけたら利権を守る、徒党を組む。そんな旧来の政治を打破する力が女性議員にはあると考えています。そのためには、最初の目標を見失わないこと。そして、目標の実現に向けて、ひとつひとつ実績を積んでほしい。政治家に限らず、若い女性すべてにお伝えしたいことです」

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