「“油はカロリーが高いからダイエットの敵!”と思っていませんか?それは間違っていますよ。油は私たちの美容と健康を維持するためになくてはならない大切なものなのです」

 

体に取り入れた油が体内で果たす役割について、こう語るのは、いまやアンチエイジングのカリスマとして大活躍の南雲吉則先生。先生自身が若返りを研究するなかでたどり着いたのが、摂取する油の重要性だという。

 

「思考や行動の司令塔となる脳の約7割は脂質でできています。私たちの体をつくっている60兆個の細胞の膜、血管や血液、ホルモンも神経も脂質なしでは存在できません。これだけ必要とされる脂質だからこそ、どんな種類のものを体に取り入れるかが大事になってきます」(南雲先生・以下同)

 

まず、油の種類と特徴について確認してみよう。私たちの口に入る脂質には、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類がある。飽和脂肪酸は肉、バター、ラード、ココナツオイル、パーム油など。高い温度で液体に、常温では個体になっているのが特徴だ。

 

不飽和脂肪酸は、さらにその特徴から次の3つに大きく分かれる。

 

【オメガ3】α-リノレン酸が含まれる。えごま油、アマニ油、青魚の油、くるみなど一部のナッツ類。

【オメガ6】リノール酸が含まれる。コーン油、ごま油、サラダ油、大豆油、マヨネーズなど。

【オメガ9】オレイン酸が含まれる。オリーブオイル、米油、キャノーラ油(菜種油)、ベニバナ油(サフラワー油)など。

 

「大事なのはオメガ3と6で、この2つは体内で作ることのできない必須脂肪酸です。サラダ油やコーン油などの植物油は、長い間体にいいと思われていました。これはオメガ6といわれるリノール酸を多く含んでいます。血液をサラサラにする効果があり、ダイエットにも有効だといわれ、厚生労働省も積極的に取るべきと推奨してきました」

 

ところが、実はそうではなかったということが、最近の研究で明らかになってきたのだ。

 

「リノール酸は、体内でアラキドン酸という脂肪酸に変化します。アラキドン酸は脳の発達に役立ちますが、炎症性の物質を作ってしまいます。この特徴は、原始時代を生き抜くには不可欠な働きでした。ケガをしたときに感染症から身を守るため、炎症を起こさせ、血液を凝固させて傷を早く治すのです。ところがあまりケガなどもしない現代の私たちがリノール酸を取りすぎると、炎症性の物質がアレルギー、膠原病、婦人病、うつ病、がん、脳卒中、心臓病を増やしてしまうのです」

 

この状況を変えるには、まず、リノール酸系のドレッシングやマヨネーズをやめ、オメガ3の油を取るようにすることが必要だ。

 

「グリーンランドに住むイヌイットは、オメガ3が豊富なアザラシの肉などを食べていたので、生活習慣病とは無縁だったのです。また、アメリカの小学校で行った調査では、オメガ3が十分だった子どもたちは、不足していた子どもたちよりも5倍ほど学習能力が高かったという報告があります」

 

オメガ6の油をやめてオメガ3の油を毎日取り入れるだけで、子どもの学習能力がアップし、女性は婦人科系の病気の予防ができるとあれば、これは実践してみる価値がありそう。南雲先生によれば、アンチエイジング効果もあるので、ウエストのくびれにも有効だとか。まさに夢の油なのだ。

 

「また、ご家族みんなの肌がきれいになりますよ。これは私自身の体験ですが、オメガ3を積極的に使うようになって、長年悩んでいた慢性湿疹が消えて“ますます若返った”と言われます」