9月19日、アルツハイマー病など、認知症の原因物質の一つとみられるタンパク質が画像で『見える』ようになったと報じられた。このタンパク質は『タウ』と呼ばれ、放射線医学総合研究所(千葉市)が、このタウと結びついて弱い放射線を出す特殊な化学物質を開発。これを注射することで、タウがたまった場所が浮かび上がるそうだ。

 

「これによって認知症の早期発見への期待がたかまりましたが、認知症の主な原因は脳卒中とアルツハイマー病。脳卒中は、脳血管が破れて出血したり、血管に血栓がつまり、脳組織へ十分な血液が送れなくなるために起こります。いっぽうアルツハイマー病の原因はまだ研究段階ですが、やはり脳の血流低下が主な原因だと考えられています」

 

そう話すのは順天堂大学教授の小林弘幸先生。実際、いま認知症の検査としておこなわれているSPECT検査は、脳のどの部分の血流が低下しているかを見ることで診断につなげている。脳の血流低下を防ぐことは、認知症予防にもつながっていくという。

 

「しかし何もしないでいると、私たちの脳の血流は加齢とともに低下。男女ともに70歳になると、脳の血流は15歳のときと比べ、30%以上減少するといわれているのです。高齢になると認知症を発症しやすくなるのは、加齢によって血流が低下するからなんですね。でも、あきらめるのはまだ早い!生活習慣を変えることで、脳の血流は改善できます」(小林先生・以下同)

 

そこで小林先生に、認知症予防につながる『ボケない血流』の作り方のポイントを教えてもらった。

 

【有酸素運動】

「まずは1日30分程度の有酸素運動。脳を含めた全身の血流をスムーズにするのはもちろん、高血圧や糖尿病など生活習慣病を予防して、血栓や血管のダメージを防ぎます。ウオーキングや水泳など、無理のない範囲で体を動かしましょう」

 

【α波】

「脳からα波が出ると、脳の血流が30%増加するという報告も。α波が出るのは瞑想時やリラックス時。川のせせらぎなど、自然の音を聞くのもいいでしょう」

 

【チョコレート】

「チョコレートのフラボノイドが血管のこわばりを和らげ、脳の血流を改善するといわれています」

 

【カレー】

「カレーを食べたあとは脳の血流が増加。これはカレー粉に豊富に含まれるスパイスのおかげですが、とりわけカルダモンに血流アップの作用があるとか。カルダモンは香辛料としてだけでなく、生薬、漢方として日本はもちろん、北欧など世界中で愛用されています」

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