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夏になると世の女性たちが気にする“ワキ汗”。NHKの有働由美子アナが’11年5月、『あさイチ』放送中に、ワキの下にベットリと大きな汗ジミができてしまい、「ワキ汗を平気で見せるなんて信じられない」と視聴者から指摘された“ワキ汗事件”がきっかけで、気にする人が急増した。

 

そもそも、どうしてすごい汗をかく人と、かかない人がいるのか?多汗症の治療で有名なNTT東日本関東病院ペインクリニック科部長の安部洋一郎先生に聞いてみた。

 

「汗には、『温熱性発汗』と『精神性発汗』の2通りあります。『温熱性発汗』は、暑いときなどに体温を下げるために汗をかく現象で、頭や背中を中心に全身にかきます。『精神性発汗』は、人前でスピーチをするなど、精神的な緊張に伴ってかく汗のことで、顔や手のひら、ワキの下、足の裏などに発汗します。個人差もありますが、仕事や生活に支障をきたすほどの“ワキ汗”は精神性発汗の部類に入り疾病として治療できます」

 

汗腺は、自律神経系の交感神経がコントロールしているが、緊張するとコントロールできなくなる。人によって汗をかく量や場所が異なるのは、体質やストレスへの耐性など、個人差があるため。精神性発汗の場合には、’12年に保険適用が認められたボツリヌス(ボトックス)治療を3割負担で受けられるようになった。そこで、あなたの“ワキ汗”をチェック!

 

【1】両方のワキに多量の汗をかき、左右の量は同じくらいである

【2】ワキに多量の汗をかくことにより、日常生活に支障がある

【3】週に1回以上、ワキに多量の汗をかくことがある

【4】最初に症状が見られたのは25歳未満のときである

【5】家族・親族のなかに、同じような症状のある人がいる

【6】睡眠時は、ワキに多量の汗をかくことはない

 

【ワキ汗の判定】ほかの病気や薬の使用など明らかな原因がないまま、ワキに多量の汗をかく症状が6カ月以上続いている人。そして、上の6項目のうち、2項目以上あてはまる場合を「多汗症」(原発性腋窩多汗症)と診断する。

 

「相手に不快な思いをさせているのではないか」と精神的にもかなりの負担を感じる“ワキ汗”だが、 安部先生は次のように語る。

 

「日本の気候は亜熱帯のようになってきたので、たくさんの汗をかくのは当たり前。あまり神経質にならないで、体に負担がかからない方法で対処しましょう」

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