愛猫とのスキンシップが不調を引き起こすことも――「猫吸い」に潜む人に危険な感染症リスト
画像を見る 猫吸いをしたい衝動に駆られたら、まずは愛猫を動物病院に。

 

■「猫吸い」は猫にとってはストレスに?

 

さまざまな危険をはらむ猫吸い。猫にとってストレスになることも。

 

「猫ちゃんも皆が皆、猫吸いされることが好きとは限りません。なかには、孤独が好きな猫ちゃんもいますし、同じ猫でも、そっとしておいてほしいタイミングもある。そんなとき、無理やり猫吸いされれば、ストレスを抱えることに」

 

猫が不意に攻撃してくることもある。ご機嫌斜めの猫に、ひっかかれたりかまれたりしたことがある愛猫家も、少なくないはずだ。

 

「そこで怖いのがパスツレラ症。猫の爪にいる常在菌が原因の病気で、抵抗力の落ちた人が感染すると、大ごとになります」

 

【パスツレラ症】

 

〈原因〉:猫にひっかかれたり、かまれたりしてうつる。原因はパスツレラ属の細菌。

〈症状〉:傷口がひどく腫れ化膿する。重症化すると、細胞組織の壊死など危険な状態になることも。まれに、空気感染で呼吸器に影響が出ることもある。

 

パスツレラ症と聞いて思い当たるのが、先月急逝した人気ラーメン店の店主。亡くなる前にSNSで、愛猫にかまれたことを報告していたことから、死因はパスツレラ症では、と臆測を呼んだのだ(のちに遺族が「猫と死因は無関係」と公表した)。平松さんは言う。

 

「今回の件は事実関係はないとされていますが、猫にかまれて重症化することはあります。重症化すると患部が化膿したり、場合によっては細胞組織が壊死することも。当院に通われている飼い主さんにも、猫ちゃんにかまれた手がパンパンに腫れ発熱もして、10日ほど入院治療された人がいます」

 

猫にかまれたり、ひっかかれたりした場合は「速やかに患部を洗い流すことが肝要」という。

 

「私たちも、診察中や処置中に、よくひっかかれることがあって。そんなときはすぐに水道水で勢いよく洗い流し、そのうえで消毒をします」

 

回虫症やトキソプラズマ症の感染回避のためには「まずは猫ちゃんの体を守ること」と平松さん。

 

「基本的には、屋内飼いに徹すること。そのうえで、定期的に動物病院で診てもらい、猫ちゃんたちを寄生虫や病気から守ってあげることです。いまは、いい予防薬もあります。そうすることが、ひいては猫吸いがやめられない飼い主さんの体を守ることになる」

 

猫吸いをしたい衝動に駆られたら、まずは愛猫を動物病院に。

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