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緊急事態宣言は解除されたものの、“第2波”“第3波”への不安はぬぐえない状況。外出時においてマスク着用は、しばらく“マスト”になることが予想される。

 

しかし、もうすぐ夏本番。炎天下なのにマスクをつけるのは不快に思う人も多いだろう。オーガニックコットンや絹、冷感素材など、通気性や速乾性に優れた素材で作られた“夏マスク”も、続々と発売されている。

 

夏のマスク生活の心配事は、長時間着用することで起きる“肌トラブル”だ。『マスクの品格』(幻冬舎)の著者で、環境疫学・公衆衛生学を専門とする聖路加国際大学准教授・大西一成さんのもとにも、マスクによる肌荒れについて相談を寄せるメールが届いているという。

 

「マスクの製造過程で使用するホルムアルデヒドなどの化学物質が、こうした肌トラブルを招いている可能性があります。コロナ以前は、基本的に日本企業が海外の工場で製造し、品質チェックを行っていました。しかしマスク不足になってからは直輸入するようになり、なかには粗悪品が。化学物質が、過剰に含まれている可能性もあるんです」(大西さん)

 

財務省の統計によると、日本は4月に不織布マスクなどの繊維製品を約2万5,900トン輸入。これは前月比で約3倍にもなる。そして、その90%以上が中国からの輸入品だというーー。

 

大西さんは、「注意すべきは中国産マスクだけではない」としたうえで、肌荒れのもとになる“粗悪マスク”の見分け方についてこう語る。

 

「まずはマスクを見て、『必要以上にけば立っている』ものは注意。そして、マスクをつけたときに『鼻をつくような強めのニオイがする』ものは、化学物質が残留している可能性があります。また、『肌にチクチク刺激を感じる』ものは、長時間つけることでマスクと皮膚がこすれたり、蒸れたりして肌荒れを引き起こしてしまうので使用を控えましょう」

 

よしき皮膚科クリニック銀座院長の吉木伸子先生は、「肌荒れを招きやすいマスクの素材は何か」という本誌の取材に対して、こう答えてくれた。

 

「どれが自分に合うか、というのは個人差が激しい。下着選びと同じで、あれこれ試してみることです。必ずしも“オーガニックコットンがよい”ともかぎりません。重要なのは、日常のケアです」

 

もしマスクでニキビや吹き出物ができた場合は、どうすればよいのだろうか。吉木先生が続ける。

 

「クレンジングや洗顔料でごしごし洗ってしまう方がいますが、これは逆効果。肌のバリア機能を低下させ、よけいにトラブルを招いてしまいます。クレンジングは、肌の摩擦が少ないクリームがジェルタイプを選び、40秒程度でさっとメークになじませるのがコツ。そのあと2回洗顔料で洗いましょう。拭き取りタイプや、ダブル洗顔不要のタイプのクレンジングは、肌への摩擦や洗浄力が強いので、使用しないほうがベターです」

 

これからの季節は、“マスク焼け”を防ぐためのUV対策も必要になるが……。

 

「女性の場合、リキッドファンデーションは負担になりやすいので、パウダーファンデーションを使いましょう。肌に優しく、UV効果が持続しますよ」

 

また、「人の少ないような時間・場所ではマスクを外し、肌に風を通してあげる工夫も必要です」と吉木先生。そしてこう続ける。

 

「いちばんの肌荒れ対策はやはり食事と睡眠。肌のもととなるタンパク質を肉や魚でとったり、抗酸化作用のある緑黄色野菜を食べることも忘れずに」

 

「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載

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