放っておいたら半額に…販売開始が古い「ゾンビ投信」に用心
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「貯蓄から投資へ」の世相を受けて、投資信託(以下・投信)を始めている人も多いと思うが、最近“ゾンビ投信”なるものが増えていると話題になっている。そんなゾンビ投信について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■25年間で半額以下に目減りすることも!

 

ゾンビ投信とは、販売開始が古く、手数料が高くて運用効率が悪いのに淘汰されず、いまも残っている投信のこと。

 

代表格には’00年に売り出された「ノムラ日本株戦略ファンド」などが挙げられます。手数料が高いうえ、発売直後にITバブルが崩壊して、当初10万円の価格が4万円に下落。多くの方が損失覚悟で売却しましたが、投信自体はいまも残っています。

 

ゾンビ投信は、リスクが低いとされるインデックスファンドのなかにもあります。インデックスファンドとは、日経平均など「指標」に連動した値動きをする投信です。

 

たとえば日経平均を指標とする投信はいろいろありますが、指標が同じですから値動きは当然同じです。だったら運用成績も同じだろうと思いがちですが、実は投信ごとに違います。なぜって、投信によって手数料が違うからです。

 

投信の手数料は3種類あります。買うときの「購入時手数料」、売るときの「信託財産留保額」に加え、保有中ずっと「信託報酬」がかかります。最近では購入時手数料が無料の「ノーロード」投信が増え、信託報酬も値下げ傾向ですが、古い投信には高いものが多いのです。

 

では、信託報酬がなぜ、運用成績に影響を与えるのでしょう。

 

たとえば信託報酬が、A投信は0.1%、B投信は3%として、それぞれ10万円ずつ購入とします(購入時手数料はどちらも無料)。

 

A投信では10万円×0.1%=100円が手数料ですから、9万9,900円が運用に回ります。対してB投信は10万円×3%=3,000円が引かれて、運用に回るのは9万7,000円。手数料の差が、運用する元手の差となり、成績に直結します。

 

さらに信託報酬は毎年引かれますから、長期になるほどA投信とB投信の差は広がっていきます。

 

仮に1,000万円で信託報酬3%の投信を買い、もうけも損も値動きが一切ない、ただ預けただけの状態だとしたら、どうなると思いますか。なんと25年後には半減、500万円を下回ります。手数料の3%は、それほど大きく影響するのです。

 

投信をお持ちの方は、ゾンビ投信がないかご確認を。投信は専門家が運用するものですが、任せきりではいけません。投資は自己責任。自分でチェックしましょう。また、これから投信を買おうか迷っている方には、注意点が3つあります。

 

【1】投資の前に借金を返す

 

デフレ下では現金の価値が上がり、借金のマイナスも増大します。投資より、借金返済を優先して。

 

【2】生活や老後に必要なお金を確保

 

今後必要な資金の総額を算出。それに手をつけてはいけません。

 

【3】余剰資金で投資を

 

投資は、万が一ゼロになっても支障のない資金で行いましょう。

 

官民挙げて投資を促す風潮ですが、「投資はしない」という選択肢があることも覚えておきましょう。

 

「女性自身」2020年12月22日号 掲載

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