「今は、各メーカーで乳酸菌や特定の菌の開発が進んでいます。『機能性ヨーグルト』と呼ばれ、整腸作用のほかにも、プリン体の吸収を抑えたり、免疫機能を高める乳酸菌を含んだ商品が次々と発売されています。そのときの体調や目的に応じて、いろいろなヨーグルトを食べてみると、効果が表れます」
こう話すのは、臨床栄養評議員でもある、秋葉原駅クリニック(東京都千代田区)の大和田潔院長。スーパーやコンビニには、たくさんのヨーグルトや乳酸菌が並んでいる。パッケージをよく見ると「1073R-1」「ビフィズス菌BB536」など、書かれていることが多い。これはそのヨーグルトの中に入っている「乳酸菌」の名前を表記したもの。それぞれの会社が独自に開発したオリジナルの乳酸菌だ。
ちなみに、NK細胞を活性化させる「R-1」はインフルエンザの予防やワクチンの効果を高める。「ビフィズス菌BB536」は花粉症などのアレルギー症状を抑える効果に加えて、大腸がん予防などの機能が確認されている。
ここにきて「体にいい」新商品がグンと増えたヨーグルト。だが、体にいいからといって、たくさん食べるとかえってよくないこともあるという。そこで、体にいい「ヨーグルトの食べ方」を大和田先生に聞いた。
「ヨーグルトは思った以上にカロリーが高い。全脂無糖のプレーンヨーグルトなら、『いくら食べても太らない』と思っている人もいるが、大きな勘違いです。プレーンヨーグルト100グラムあたりのカロリーは、62キロカロリーあります。甘いトッピングを追加すると太ってしまいます。パッケージにはカロリーが表示されているので、注意しましょう」
その一方で、ヨーグルト食べると糖尿病のリスクを低減できるという研究もある。
「ごはんやパンなどの炭水化物を食べる前に、乳清を取ると、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンが刺激され、食後の血糖値の上昇を抑える研究結果も出ています。その際にも、体にいいからといってたくさん食べすぎないこと。ヨーグルトはタンパク質も豊富なので低カロリーに抑えることがポイントです」
また、1度食べたぐらいでは、腸内環境は変わらないので、同じタイプのものを1週間ぐらい続けてみよう。ヨーグルトは毎日食べなくても、1日おきでもOKという。大和田先生は「夜」にヨーグルトを食べることをすすめる。
「夕食後は食べ物で胃酸が薄まっているので乳酸菌がよい状態のまま腸にたどり着きやすい。ヨーグルトはかさが大きいので、食前に取ると食べすぎ予防になります。でも、夕食後に食べると満腹感を維持でき、おやつを減らせます。たとえば、就寝3時間前までに食べて寝ると、食欲を増進させるホルモン『グレリン』の分泌を抑え、夕食後に小腹が減ることもなく、ぐっすり寝られます」
夜中に腸内環境の動きが活発になれば、翌朝、お通じもバッチリ!体にいいことずくめのヨーグルト。今すぐトライしよう。