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“コロナ不況”の真っただ中、新型コロナウイルスの感染拡大に関連する企業倒産が、早くも500件を超えた。業種別でもっとも多いのは飲食店、次いでホテル・旅館、アパレル・雑貨小売店などと並ぶが、どんな業種であれ、ひとごとではない。ある日、勤めている会社が倒産して、突然、解雇されたら……。私たち個人は、何ができるのだろう。

 

そこで経済ジャーナリストの荻原博子さんが、コロナ禍失業で頼れる制度を解説してくれたーー。

 

■失業手当は60日延長

 

雇用保険に一定期間以上加入する方は正社員やパートなどの区別なく、失業したら失業手当が受け取れます。なかでも倒産や解雇での失業は、自己都合での退職と違って待期期間は7日間だけ。その後すぐに失業手当が支給されます。

 

失業手当は、退職前半年間の平均賃金を基に1日当たりの給付額を決め、年齢と勤務期間によってもらえる給付日数が決まります。

 

たとえば50歳で勤務20年以上のCさんは330日分、40歳で働いて1年未満のDさんは90日分が、毎月30日分ずつ支給されます。

 

さらに、コロナ関連での失業の場合は、給付日数が60日延長されることになりました。先のCさんは330+60=390日分、Dさんは90+60=150日分もらえます。

 

再就職が早く決まれば「再就職手当」も出ますので、がんばって!

 

■支払いの免除・猶予制度

 

失業で打撃を受けた家計には、もらえるお金の確保と合わせて、支払いを減らすことも重要です。

 

所得税や住民税などには最大1年間の猶予、国民年金や国民健康保険には免除措置もあります。ほかにも、自治体独自で水道料金の割引や、民間の生命保険などの保険料も猶予の仕組みがあります。

 

■公的機関からの借り入れ

 

失業で生活が困窮したら「生活福祉資金の特例貸付」が利用できます。「緊急小口資金」として20万円、「総合支援資金」として月最大20万円が3カ月間。合わせて最大80万円ですが、返済期限になっても困窮が続いている場合は、返済が免除される規定もあります。

 

また「住居確保給付金」は家賃が原則3カ月間、最大9カ月間支給される制度で、返済は不要です(自治体ごとに上限あり)。ほかにも独自の支援を行う自治体もあるので、困ったら相談してみては。

 

新型コロナウイルスの感染拡大は少し落ち着いてきたようですが、コロナ不況の出口は見えません。これらの予備知識を、頭の隅に置いておきましょう。

 

「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載

経済ジャーナリスト

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