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「主婦の強みを生かして“生活の隙間”を埋めるところにニーズがあります。雇われるだけが仕事ではありません。たとえば、料理が得意であれば、家事代行や病院、介護施設などの給食調理の募集を探すと思いますが、最近では、地域で活動しているNPOなどが運営するデイケアサービスの給食施設、お弁当の宅配サービスなどにも働き口はあります」

 

そう話すのは、シニアライフアドバイザーの松本すみ子さん。コロナ禍での収入ダウンにより、「働きに出たほうがいいかも」と思う主婦が増えているという。しかし、「やみくもに就活するよりも、家事や子育てなど、主婦ならではの“マルチタスク”的なスキルを生かして、職に結びつけたほうが、長く働くことができます」と松本さんは言う。

 

「また最近では、働くママさんたちをサポートするために、夕食の作り置きをして、それをピックアップしてもらうようなサービスもあるくらいです。職探しは、求人票を見てばかりいてはダメで“発想の転換”が大切です」(松本さん・以下同)

 

主婦の場合、通勤圏も電車に乗って通勤するというよりも、自転車で通える距離内がベター。

 

「『地元のクリニックで受付をできる人を探している』『飲食店のランチタイムで働ける人を急いで探している』といった情報は、店先の張り紙やママ友のネットワークで得られることがあります。ですから、『働きたい、こんな仕事がしたい』という情報は、恥ずかしがらずに地元の友人たちに伝えておくといいでしょう」

 

さらに松本さんによれば、主婦の強みを生かして“生活の隙間”を埋める仕事は、じつはたくさんあるという。

 

子育ての経験を生かして、未就学児を預かる保育の仕事は、保育園に勤めるだけでなく、自分の家でもできたりする。そこで「保育ママ」や「チャイルドマインダー」など、仕事上、役立つ資格を取っておけば、生涯現役でかつ安定して稼げる。

 

「お菓子やアクセサリー作りが得意な人は、個人事業主やフリーランスとして活動する方法もありますが、フリーランスで活動を始めるなら必ず名刺を作りましょう。私はこういうことをしていますというのがひと目でわかり、仕事の依頼がとりやすくなります。ほかにも、同じ志を持つ仲間たちと会社を立ち上げる方法もあります。全国の商工会議所などでは、地域で起業する人を対象にした『創業支援セミナー』を開いています。無料で参加できる講座もありますので、活用することをオススメします」

 

また、料理や掃除といった家事が得意な人には、こんな切実なニーズもある。

 

「コロナ対策で消毒などの作業が増えた介護業界では、いま深刻な人手不足の状態に陥っています。ですから、たとえ資格を持っていなくても、老人ホームの雑用係といった仕事は引く手あまた。求人の募集がかかっていないかどうか、一度調べてみる価値はあると思います」

 

こうした、人間が暮らしていくうえで欠かすことのできない“生活の隙間”を埋める仕事だからこそ、一見高く見えるハードルが下がることもある。たとえば、多くの人が希望する事務職は、「年齢問わず」と求人票に書かれていても、実際は年齢の壁が高く、職を得るのは難しい。そんなときこそ“発想の転換”が必要だと松本さんは言う。

 

「パソコンの操作が得意で、ワードやエクセルができる人は、なにも事務職にこだわらなくても、シニア向けのパソコン教室でインストラクターになる方法もあります。シニアに教える講師役は若い人よりも主婦のほうが好まれますから。発想を変えると、主婦ができる仕事は意外とたくさんあることに気づくのです」

 

好きな仕事を見つけて働き続けられれば、健康にもつながる。

 

「いつまでも働いていると健康をキープすることにもつながります。つねに若々しくいるためにも、好きな仕事を見つけて楽しく暮らしましょう!」

 

「女性自身」2020年12月22日号 掲載

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