■ウクライナの女性兵士も活用する“下着セット”
そんな女性視点を反映させた、「レスキューランジェリー」という下着セットに今注目が集まっている。
東日本大震災で被災した女性たちの「下着の替えがなくてニオイがストレスだった」「下着は自分で洗いたかった」といったニーズに応えたもので、1.5リットル以上の水を入れて持ち運びできる小型のバッグの中に下着セットが入っている。
【レスキューランジェリーの中身】
・ブラトップ
・ショーツ
・布ナプキン
・洗濯用洗剤
・洗濯バッグ
商品を開発したファンクションの本間麻衣社長は、避難の長期化に備えて、ストレスを少なくするための工夫が必要だったという。
「女性にとって下着問題は重要で、ニオイはストレスにつながります。たとえ、ボランティアの人に洗濯をお願いできても、『下着まで頼むのには抵抗がある』という声を聞きました。自分で水をためて手洗いできるように、バッグにマチをつけ、立体的な形に工夫。そしてバッグを逆さまにし、内側にあるメッシュの部分を目隠しにしてバッグの中で干せるようにしました。セットの下着と布ナプキンは、消臭効果のある竹布を使い、洗剤も環境にやさしい成分に」
九州北部豪雨(’17年)や西日本豪雨(’18年)、熊本豪雨(’20年)のときは、被災者に配った。
今月は、ウクライナの避難民や女性兵士たちにもレスキューランジェリーを提供したという。
「緊急時はパニックになりやすいんです。レスキューランジェリーはキャンプや旅行でも使えるので、ふだんから使って、いざというときに備えてほしい」(本間さん)
ふだんから自治体の避難所や備蓄品をチェックしておくことも“備え”につながる。「なにより人の備えも大切」というのは柳原さんだ。
【避難に備え注意したいこと】
〈1〉長靴は水が入ると歩けなくなるのでNG
〈2〉避難所の電源は使用が限られているので、太陽光で充電する小型バッテリーを用意する
〈3〉スマホの電話がつながらないことが予想されるので小銭を用意する
〈4〉避難の長期化に備えてふだんから家族や友人、親戚などに頼る方法も考えておく
「コロナ禍で避難所の定員も限られているので、地域の避難所に入れないことも想定しておいたほうがいいでしょう。もしものときに身を寄せ合うなど、助け合えるように、家族や友人たちと情報を共有しておくと安心できます」(柳原さん)
いつどこで地震や水害が起こるかわからない。どんなときでも対応できるように、ふだんからモノと人の両面で備えておこう。