その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやとも(29)。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!
【日本一の殺し屋についているもの】
おかげさまで、最近いろいろなお仕事をいただけるようになってきて、ありがたい限りです。先日は、とあるマンガのキャラクターの霊視をお願いされました。もちろん「もし実在したら」という架空の話ですけどね。
そのキャラクターは、日本でいちばん人を殺しているんじゃないかというほど凄腕の殺し屋で、「死神」の異名も持っているとか。依頼をくださった担当者さんは、「ものすごい恨みつらみの念がついているはず」と話していました。
すごく有名なキャラクターなので、僕も存在は知っていたのですが、実際にマンガを読んだことはなくて。このお仕事をいただいてから、マンガ喫茶で読み漁りました。
そして思ったのが、たぶんその殺し屋には恨みの念も幽霊も、まったくついていないんじゃないかということ。
それは、彼が罪悪感を持たない人間で、怨念さえもはねのけてしまうから……ではなく、ただ単に殺された本人が、その殺し屋に殺されたことを知らないから(笑)。死んで幽霊になったとしても、自分を暗殺した相手を見つけることは不可能ですし。
何千人殺してもまったく恨みの念がついていないって、まさに「死神」って感じですね(笑)。
【PROFILE】
シークエンスはやとも
1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。昨年8月には本連載をまとめた初の著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売された。
「女性自身」2021年4月6日号 掲載