その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、吉本興業所属の“霊がよく見える”芸人・シークエンスはやとも。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!
【ランドセルを背負った謎の女の子】
これは、知り合いの女性が体験した話です。
ある朝、玄関のドアを開けると、少し離れたところから、ランドセルを背負った女の子がこちらを凝視しているのが見えました。
あまりいい気はしなかったものの、その日はそのまま出勤したそうです。
そして翌朝、同じように玄関のドアを開けると、また昨日の女の子がこちらをじっと見ているんです。
しかも、少しこちらに近付いてきたような気もします。
その後も、朝ドアを開けるたびに女の子との距離が近付いて、さすがに怖くなった彼女は、同棲中の彼氏に相談しました。
でも彼は、「そんな女の子は見たことない」と真面目に取り合ってくれません。
そしてまた次の朝。憂鬱な気持ちでドアを開けると、なぜかそこには誰もいません。
ようやく解放されたのかとほっとしたのも束の間、家の中から彼氏の叫び声が聞こえました。
驚いて駆け付けると、彼はベランダのほうを指差して「ランドセルを背負った女の子がいる!」とパニックになっています。
でも、ベランダを覗き込んでみても、彼女にはその姿が見えません。
「誰もいないよ」と振り返ると、玄関のほうから「いるよ~」と女の子の声が聞こえたそうです。
【PROFILE】
シークエンスはやとも
1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。20年8月には本連載をまとめた初の著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売された。