「菅官房長官は、総理としての器はやや小さいですが、口の固さは評価すべきです。安倍総理の病状を知りながらもポーカーフェースを通しました。そういう人物は信用されますし、情報を漏らすことなく、大胆な行動もとれると思います。

 

また、石破茂元幹事長は、安倍政権が約8年も続き、多くの人間が総理に忖度するなかで、政権批判も続けてきました。“硬骨の人”ですが、それゆえに安倍首相に嫌われているのは、総裁選では不利に働くかもしれません」

 

最後に伊藤惇夫さんの採点は、菅:9点、石破:7点、岸田5点。

 

「菅さんは、たたき上げの苦労人のうえ、官房長官の経験が大きいと思います。これまで批判的な立場の人たちも取り込んで、政権を取り仕切ってきました。

 

また岸田政調会長は、まず発信力不足。また政局を読む勘どころの甘さもあり、危機に直面したときに、どう対応するのか不安を覚えます」

 

3人の採点の合計で、もっとも点数が高かったのは、22点の菅官房長官だった。

 

「防衛大臣、農林水産大臣の経験があり、さまざまな難局に直面してきた石破さんも決断力は秀でていますが、苦労人からたたき上げの菅さんの胆力は一枚上手だと思います。小泉さんも含めて、世襲議員が多いなか“政治家の反世襲”を貫き、3人の息子たちも政治の道を進んでいません。そんな覚悟を持ったリーダーがこの災禍の時代には必要です」
(前出・伊藤さん)

 

そのいっぽうで、菅氏の首相としての素質は未知数だと指摘するのが前出の小林さんだ。

 

「コロナ対策において、本来なら菅さんが担当になり危機管理を発揮するべきでしたが、西村康稔経済再生大臣が新型コロナ対策担当大臣も兼任することになりました。安倍総理と菅さんの間に確執があったことも確かですが、それ以上に、総理から菅氏には国を引っぱる力がないと判断されたのではないでしょうか」

 

コロナの影響で経済がどん底に落ちた日本。次の首相の手腕への期待は高まり続けている。

 

「女性自身」2020年9月15日号 掲載

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