大本命の菅官房長官。 画像を見る

7年8カ月に及ぶ長期政権を築いた安倍首相の突然の辞任決断を受け、次の総理の椅子を巡る争いがヒートアップしている。永田町関係者たちも、すでに“票読み”で大いに盛り上がっているようだが、本来は“数の論理”よりも、精査されるべきは“首相の資質”だろう。

 

コロナ禍により日本人も、首相は、予測していなかった危機に対しても柔軟に対応する力を持つべきであることを痛感させられた。

 

 

そこで有馬晴海さん、小林吉弥さん、伊藤惇夫さんの3人に、総裁選の有力候補とされている3人の政治家の“危機対応能力”について採点してもらった。まずベテラン政治評論家の小林吉弥さんが語る。

 

「私が危機管理に欠かせないと考えているのは“実行力”です。特にコロナ対策において重要なのは財務省から予算を引っぱってきて経済対策を実行することです。国民からの期待が高い石破さんですが、国会議員には不人気です。とりわけ長く財務省に影響力のある麻生太郎財務大臣とは関係が悪い。だから石破さんが思い描く経済政策があっても、財務省から予算が出ずに成し遂げられない可能性もあります。

 

いっぽう大きな派閥を持ちながらも、ほかの派閥との連携も良好な岸田さんは、危機に直面したときに、さまざまな協力が得られやすく、自らの政策を進めやすいといえます。

 

また名参謀として首相を支えてきた菅さんは、たしかに難局を打開する力が優れていますが、リーダーとして不可欠な国家観や日本の将来像などが彼の口から示されていません。少なくともこれまでは、総裁選に出馬する気持ちが全然なかったのかもしれません」

 

小林さんの採点(10段階評価)は、菅義偉官房長官が5点、石破茂元幹事長が5点、岸田文雄政調会長が6点、かなり辛め。

 

有馬晴海さんの採点は、菅:8点、石破:8点、岸田3点。

 

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