「30で死のうと…」自分の乳房に呆然 トランスジェンダー語る葛藤
画像を見る 家庭では、家事や子育ても率先して行う良きパパだ

 

■養子縁組の申請が通って。パパから「養母」となって、3人とも法律上の親になる

 

冒頭の通り、杉山さんは現在、子育ての真っ最中。3人親の育児が、また新たなステージを迎えようとしている。

 

「実は、僕と子どもたちの養子縁組の申請が先日、通ったんですよ。

 

これまでは産んだ彼女が『実母』、ゴンちゃんは認知をして『実父』ですが、僕は、赤の他人のままでした。そこで、養子縁組をすることで、僕が『養母』になり、3人とも、法律上の親になることができたわけです」

 

さらに4月から、杉山さんは一家で長野に移住するという。

 

「彼女の両親の家が長野にあって、彼女は小さいときからご両親と東京と長野を行き来する生活でした。コロナ禍で、東京で保育園に行けないときは、一時期長野で生活しており、自然もあるし、『子どもは長野で育てたいね』ということになって」

 

今度は、杉山さんが東京と長野を行き来する生活になるという。

 

「ゴンちゃんはどう関わるのか。それもまた、生活しながら考えていくけど、長野とゴンちゃんの実家金沢は北陸新幹線で近くなるので、新しい可能性も膨らんでいます」

 

子育ては常に試行錯誤。そのときそのときの家族の状況で、臨機応変に形を変える。それはどんな家庭でも変わらない。

 

子どもたちの成長とともに気づくことも増えてきた。

 

「不思議ですよね。同じ環境で育っても、子どもたちの性格は正反対。(長女の)あるはすごい激しくて、(長男の)きのは穏やかでいつもニコニコ。同じときの受精卵ですが『きのは1年の凍結保存で熟成されて、マイルドになったのかな?』なんて冗談を言ったり(笑)」

 

生まれ持った個性を大切にしたい。それが自己肯定感を持てずに苦しんだ杉山さんの願いだ。

 

「この間、水着を買いに行ったら、あるがピンクのフリフリのを『これ、欲しい』と持ってきた。僕は『えっ、これ?』と思いつつ、女のコはこういうのが好きなんだなぁと思ったら、次の瞬間、ショベルカーのおもちゃも欲しい、と言われて、また戸惑って。

 

だから、僕のなかにも、刷り込まれたジェンダーバイアスがあるんです。女のコはこう、男のコはこうと決めつけず、選択肢を多くして、自分で選ぶようにさせてあげようと思っています」

 

取材を終え、自転車にまたがって颯爽と走り去るパパの背中が頼もしかったーー。

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