葛根湯だけじゃない!コロナにおすすめの漢方薬を専門医がレクチャー
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【1】家族が濃厚接触者に

 

<処方例>

ツムラ補中益気湯
1回2.5g→1日3回×7日分

 

「補中益気湯は、体の免疫力を上げてくれる漢方薬。病原体の入口となる消化管の粘膜にある樹状細胞を活性化し、センサー感度を高めます。病原体が入ったときに、効率よく排除してくれるため、予防にも最適。

 

家族に濃厚接触者がいれば、予防の意味も含めて家族全員で服用するといいでしょう。ただし、予防の場合は保険が適用されません。また、無症状だけれど陽性だったという人も、補中益気湯で免疫力を高めておくとよいでしょう」

 

【2】汗をかかない発熱

 

<処方例>

ツムラ麻黄湯+ツムラ越婢加朮湯
各1回2.5g→1、2回分

 

「発熱していても汗をかいていない場合はこの組み合わせがよいでしょう。もともと麻黄湯は、単独では風邪薬として使用します。オミクロンに感染した小児にはこれだけで十分効果的ですが、大人の場合は、さらに麻黄湯の効果を高める越婢加朮湯をプラス。発汗するまで、1~2時間おきに服用します。もし1回で発汗したらそれで終了です」

 

【3】汗をかく発熱

 

<処方例>

ツムラ桂枝湯+ツムラ麻杏甘石湯
各1回2.5g→3回分

 

「汗をかき始めたら、すでに免疫機能が働き始めている証拠。その免疫力を、さらに高めるための処方例です。2〜3時間おきに3回ほど服用すると、すっきりと体から熱が抜けるような効果が期待できます。インフルエンザで同様の症状が起きた場合も効果的です」

 

【4】倦怠感がひどい

 

<処方例>

ツムラ補中益気湯
1回2.5g→1日3回×7日分

 

↓症状が改善しない場合は

ツムラ人参養栄湯
1回3g→1日3回×7日分

 

「補中益気湯は、慢性疲労症候群にも効能があるといわれ、倦怠感にはもっともポピュラーな処方。服用を始めて2〜3日たっても効果を感じられない場合は、人参養栄湯に切り替えましょう」

 

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