「毎日、刺激がハンパないです。香盤表(撮影のスケジュール表)に書かれている共演者の名前を目にするだけで、ある種の高揚感を覚えます」
そう語るのは、主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系・日曜21時〜)の第1話が視聴率14.2%の好スタートを切った木村拓哉(44)。幼なじみのライバル役には浅野忠信、元恋人役に竹内結子、同僚医師役に松山ケンイチ。豪華なキャスト陣との共演に、役者としての醍醐味を感じているようだ。
「実際に撮影現場に身をおいてみると、その現場の豊かさたるや。彼ら一人一人が魅力的なのはもちろんなんですけれど、みんなの本気度が現場にひしめき合っているんです。それを間近に感じながら演技をすることが楽しくてしょうがないですね。ゾワッとするような、鳥肌が立つ日々です」
初の医師役に挑戦しているが、その華麗なメスさばきも注目されている。
「医師役に関して、そこはもう、力んでもしょうがないことだと思うんです。力んでしまったら不自然な動きになってしまうだけなので、自然体でいることを考えて演じるようにしています。撮影に入る前には、『稚拙なる者は去れ 天才心臓外科医・渡邊剛の覚悟』(細井勝著)という本を読みました。心臓外科医の渡邊さんという方のことが書かれているんですが、自分が天才医師役を演じるということになって、何か手がかりが欲しいと思っていたときに目に留まったので。役にリンクしている内容ではないんですが、すごく素晴らしい本でした。いい手がかりになっていますね」
あふれる充実感が、その表情から読み取れる。今回のドラマのあと、4月には主演映画『無限の住人』の公開も控えている今年。いったいどんな年にしていきたいのだろう?
「去年1年は、個人的な仕事の現場では完全燃焼してやりきったという思いがあるんですが、本当にいろいろなこともあった年でしたね。もう状況は変わりますけど、いろいろと支えてくださった方々、37万人以上の方々が、署名という形で自分たちに気持ちを投げかけてくれました。できるものなら、その方々、一人一人に、きちんと『ありがとう』の言葉を伝えるべきだと思うのですが、それは現実的には難しそうなので、自分にできる作業で、返していきたいです。その作業の一つが、このドラマだと思っています。年が明けて“新年”っていいますけど、今年は通常の新年に、もう一つ意味が乗っかった“新年”。新しい気持ちで取り組んでいくようになるのかな」