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(写真・神奈川新聞社)

 

街中で気軽に医療相談-。川崎市立井田病院に勤める医師らが、患者や家族にとって身近な窓口となる「暮らしの保健室」を同市中原区でスタートさせた。無料相談に加え、病院との橋渡しや医療コーディネートなども行い、地域包括ケアシステムの一端を担う役割が期待されている。運営する一般社団法人「プラスケア」の西智弘代表理事(37)は「患者らが安心して生きていくお手伝いができれば」と意欲を見せる。

 

プラスケアは、医師や地域住民などのボランティアスタッフと有償の看護師の計8人がメンバーで、レンタルスペースやコミュニティースペースを利用し、4月に活動を始めた。複数の施設を利用する「巡回型」で、利用者を助けながら病院や診療所へ同行する「ナースサポート」などの有料サービスも提供し、運営資金を確保する。

 

きっかけは、市民の声だった。西さんらが携わるNPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」の活動の一環で、「病気になっても安心して暮らせるまち」について街頭アンケートを実施したところ、「健康問題を気軽に相談できる場所」を求める声が多かった。普段は勤務医の西さんは、「市民にとって病院は遠い場所だと感じた」といい、身近な窓口を作ろうと決心。全国で広まりつつある暮らしの保健室に着目し、他地域での事例を参考にして同NPO法人から派生する形で実現させた。

 

これまでに、がん患者やその家族、小さな子どもを育てる母親、けがのリハビリに励む男性らが訪れ、病気、けがを問わず、さまざまな悩みに答えている。

 

2011年7月に、東京都新宿区で先駆的に暮らしの保健室を開設した秋山正子室長(66)によると、現在は全国に約40カ所あるが、県内では把握していないという。秋山さんは「高齢化が進み、『治す医療』だけでなく『支える医療』が必要。暮らしの保健室はその一助となり、地域で果たす役割は大きい」と話し、さらなる広がりを期待する。

 

プラスケアは今後、依頼があればマンションや企業、地域イベントなどにも出向く計画だ。西さんは「地域に溶け込み、多くの人に利用してもらいたい」と話している。

 

開催は主に「idacafe(イダカフェ)」で、水曜午前10時~午後4時。問い合わせは、プラスケア・電話044(863)8444。

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