(写真・神奈川新聞)
サッカーの皇后杯全日本女子選手権最終日は24日、ヤンマースタジアム長居(大阪市)で決勝が行われ、創部6年目で初の決勝を戦ったノジマステラ神奈川相模原は0-3で日テレ・ベレーザに敗れ、準優勝に終わった。
ノジマは前半から相手に主導権を握られて2点を失い、後半にも1点を追加された。チームは2012年に家電量販「ノジマ」が創設し、16年に2部で優勝して1部昇格。昇格初年度の今季はリーグ戦8位。皇后杯は昨季のベスト8が最高成績だった。
地道に育成「次こそ」
サッカーの皇后杯全日本女子選手権で、相模原市をホームタウンとするノジマステラ神奈川相模原が準優勝した。6年目のチームを初の決勝に導いたのは創設時から指揮を執る菅野将晃監督(57)。栄冠こそ逃したが、最後まで足を止めずに走りきった教え子たちをねぎらった。
初の大一番はリーグ3連覇中の日テレ・ベレーザに完敗を喫した。今季初昇格した1部リーグでは8位と苦しんだが、「新たな気持ちで戦ってくれたことが今回の結果につながった」。うなだれる選手たちに優しく寄り添った。
県内では公立の強豪として知られる旭高出身で、現役時代は古河電工(現ジェフ千葉)などでプレー。引退後はJリーグの湘南などを指揮し、ノジマでは2012年の創設時からゼネラルマネージャー兼務で強化に携わってきた。
女子サッカーの魅力を「けれん味のないひたむきさ」と語る菅野監督。「スピードやパワーではいくら練習しても男子にはかなわない。丁寧に二つ、三つと手を掛ける流れをどれだけきれいにできるか」という信念のもと、パスサッカーを継続して地道に力を磨いてきた。
女子日本代表「なでしこジャパン」は11年にワールドカップ(W杯)で初優勝したが、近年は昨夏のリオデジャネイロ五輪出場を逃すなど低迷している。「世界で戦うためには女子サッカーの面白さを見せて、裾野を広げていくことが必要。自分たちのチームだけよければいいという考えでやっていたら駄目」と広い視野を持って、創設時から育成中心の強化方針を貫いている。
試合後は、さっそく新加入選手の発掘という任務に飛び出していった。「これからそのまま三ノ宮に行って(兵庫県内で開催される)インカレ(全日本大学女子選手権)を見るんです」。忙しい日々はまだ続きそうだ。