Los Angeles Times
ケリー・クラークソンやアダム・ランバートを輩出した米国のオーディション番組『アメリカン・アイドル』のシーズン13が来年1月より放映される。Foxが9月3日、新審査員の陣容を正式に発表した。
ニコール・キッドマンの夫でカントリーミュージシャンのキース・アーバンが先シーズンに引き続き続投し、シーズン11で、スティーヴン・タイラーと共に降板したジェニファー・ロペスが復帰する。そしてもう1人はピアニスト、俳優のハリー・コニックJr.に決定した。コニックJr.は以前にメンター(候補者の指南役)として番組に出演した経験はあるが、審査員を務めるのは初めて。
先シーズンは“犬猿の仲”と言われるマライア・キャリーとニッキー・ミナージュを起用し、意見の衝突やお互いに対する態度の悪さなどに焦点を当てて話題を作る“炎上商法”のような戦略を取ったが、緊迫した雰囲気に視聴者も疲れてしまったのか、視聴率は振るわなかった。さらにここ数年は「X Factor」や「The Voice」といった後進のオーディション番組の勢いに押されがちだ。この失敗を教訓に、新シーズンでは安定感があり、信頼の置ける審査員を揃えることで、視聴者の呼び戻しを図ることが狙いと見られている。
Los Angeles Timesがこの3人の魅力について分析している。
ロペスには魅力があり、機転も利く上に、競争の激しい音楽業界で成功を収めたことに裏打ちされた確かな知識を持っている。アーバンは、その柔らかな物腰で混沌とした雰囲気の悪い先シーズンで、ほっとできる清涼剤のような役割を果たしていた。また、カントリーの新風を番組にもたらした功績も大きい。そして新顔のコニックJr.は、メンターとしてゲスト出演した折に、鋭く率直な意見を次々と候補者に与え、非常に高い評価を得ていた。以上のことから見ても、話題優先ではなく、実力重視の布陣であることは明かだ。
同紙は次シーズンの欠点として、シーズン1からの古株である音楽プロデューサー、ランディ・ジャクソンの続投を挙げている。同じく放送開始時から審査員を務めていたサイモン・コーウェルとポーラ・アブドゥルはとうの昔に降板しており、実際のところ「まだいるの?」という印象は否めない。