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2015年のアカデミー功労賞授賞式に出席したジェーン・フォンダ
Matt Petit /(C)A.M.P.A.S.

 

『コールガール』『帰郷』で二度に渡りアカデミー主演女優賞を受賞した大女優、ジェーン・フォンダ。78歳になった今も美貌を保ち、精力的に活躍しているが、その青春時代は悲惨なものだったようだ。父親による精神的な虐待で摂食障害に苦しんだ過去を綴った手記をLenny newsletterで発表した。

父ヘンリー・フォンダは伝説的な名優として知られており、女性遍歴も派手なものだった。ジェーンの母フランシス・シーモア・ブロカウは二番目の妻であったが、ヘンリーの浮気を苦に精神を病み、自ら命を絶った。同年早々に再婚したヘンリーは、さらにその後二人の妻を娶ることになる。12歳で生みの母を失ったジェーンの側には、いつも継母がいた。

「父は継母を通じて、いつも『痩せろ』『長いスカートを穿け』と言いつけていました。継母の一人には『彼氏がほしいなら、体型を変えなくちゃだめよ』とも言われていました」

2011年のハーパース・バザー誌で、彼女はこう語っていた。

「私は父に、人は見た目が全てだと教えられた。彼はいい人だったし、大好きだったけど、父親が娘に贈るべきメッセージをくれたためしがなかった。そのかわりに、こう言われていたの。『外見が完璧じゃなければ、愛されないぞ』」

見た目が良ければ愛される。でも、愛されるのは見た目だけ──父親とのねじ曲がった関係は彼女を過食に走らせた。酷いときには1日に20回も嘔吐を繰り返したという。これが35歳になるまで続いた。驚くべき事に、5人の母のうち3人が摂食障害を患っていた。ジェーンは「空しさを埋め合わせるためだったと思う」と分析する。

60歳になったとき、彼女は「どれだけ怖くとも、家長制度によって負った傷に向き合い、癒やさなければならない」と決心した。ともすれば人生の汚点とも捉えられかねない苦い経験を自ら明かした理由はここにある。「完全な人間、自分の意見を言える女性になるために全力を尽くさぬまま、人生を終えたくなかったのです」──大女優が今、新たな一歩を踏み出した。

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