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近年は母親や主婦の役を演じることが多い松坂慶子が、人気特撮シリーズの劇場版第2弾『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』で、ワイヤアクションに挑戦している!

まつざか・けいこ☆

52年7月20日生まれ、東京都出身。69年にデビュー。代表作に日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞した映画青春の門』、
『男はつらいよ
浪花の恋の寅次郎』(ともに81年)『蒲田行進曲』(82年)などがある。ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)に出演中。

映画『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』

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原作・脚本・監督/雨宮慶太2月23日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
(C)2012 雨宮慶太/東北新社
(オフィシャルサイト)http://garo-project.jp/SOUKOKU/

――松坂さんがワイヤアクションに挑戦していると聞いたとき、イメージから離れていたので驚きました。当初、オファーがあったとき、一度目は断ったそうですが、出演するに至った理由をお聞かせください。
「私、怖いのが苦手で、先入観で怖い映画かなと思っていたんです。でも、監督の作品を見せていただきましたら、たしかにホラーな部分もありますけど、それだけじゃない、深いものを感じて。監督にお目にかかってお話をうかがったら、とても温かい方だし『今回はホラーというよりファンタジーにしたいんです』とおっしゃって。『じゃ、私、できるかもしれない』と思って、台本をもう1回、読み直しました。そして『ぜひやらせていただきたいな』と思ったんです」

――近年ですと、松坂さんを拝見するときは、お母さん役や主婦の役が多いので、これは180度違う役柄ですよね。
image「そう。監督に感謝ですね。ジュダムはわがままな女性ですから、立派なお母さん像、主婦像というのと根本的に違う役をくださって」

――松坂さん演じるジュダムという女王。可憐な少女のようでした。ジュダムのキャラクターは監督と話し合われて作っていったんでしょうか。
「はい。ジュダムは怖いところもあるんですけど、少女のように無垢な、イノセントな面もほしいということで、二面性があるキャラクターにしていきました。子供って、無垢で何もわからないからこそ、残酷っていうところがあるでしょう?」

――悪いことをするけど憎めない感じがありますよね。ジュダムは。
「そうなの。自分を作ってくれた人間に感謝しているし、好きなんだけど、時代の変化とともにいろんなことがあって、嫌いにもなっているわけで。人間に捨てられた悲しみからの憎しみ、両方があるという設定なので、演じてみたいキャラクターだなって感じました」

――ワイヤアクションがあると聞いたときの、率直なご感想はいかがでしたか?
「アクションをやってみたいなっていう希望はずっと持っていて、でも、なかなか私にさせてくださる方がいらっしゃらなかった。映画『蒲田行進曲』や『上海バンスキング』で、JAC(ジャパンアクションクラブ)のみなさんがお出になっている後ろで、風間杜夫さんと回し蹴りをしていたんですよ。見ているとマネしたくなるでしょ? だから今回は、ずっと思っていた夢がかなってうれしかったです。雨宮監督も私が以前、出演していたバラエティ番組でのダンスを見てくださっていたそうで『きっとできると思いますよ』とおっしゃってくださって」

――ということは、以前からアクションには興味があったのに、出る機会がなかったということなんですね。
image「そうそう。だからやっとできると思ってうれしかったです」

――もともと体を動かすのがお好きということでしたら、アクションシーンはそんなにたいへんではなかったでしょうか。
「私のできる範囲で考えてくださいましたし、主演の小西遼生さんがとてもアクションに慣れていて、上手に受けてくださって。身を預けるという感じで、のびのびとやりやすいようにさせていただきました」

――これを機に、アクションの依頼が再び……という予感はありますか?
「いやぁ、それは。雨宮監督からしかこないでしょう(笑)。ほかの人は言わないと思います。ですので、また、雨宮作品に出られたらいいなって思います」

――衣装、メークと、かなり細かい部分まで手が込んでいましたよね。ご自身のジュダム姿を観ての感想はいかがでしたか?
「実写したものにさらにCGを足しているので、とてもきれいに撮っていただいて。女優冥利につきますね。最初は監督の描いたデッサン画みたいにならなくて、試行錯誤を重ねていったんですよ」

――お子さんは松坂さんのジュダム姿を見て何かおっしゃっていましたか。
「子供たちのほうが『GARO』のことを知っていたんです。試写をいっしょに見て『かっこいいね』って言っていました。内心、あの衣装を着てみたいと思っていたかもしれませんね」

――この作品の魅力はどういうところにあると思いますか?
image「やはり、雨宮監督の人柄が生んだ、温かい物語というところです。東京国際映画祭での『僕のうしろには250人のスタッフがいます。みんなでつくりました』という雨宮監督の言葉がすてきでした。やっぱり人柄って、作品の芯みたいなところに出ると思うんですよね。それから、最新のCGや華やかなアクション、テンポのよさが加わって、とても楽しめる内容になっていると思いますよ。私の初めてのワイヤアクションもきれいに映っていますので、こちらも楽しんでいただきたいですね」

――今、松坂さんとお話をしていまして、すごく優しくて朗らかな印象を受けるんですけど、何か秘訣ってあるんでしょうか?
「“今”に集中することなんだって最近、思うんです。私、わりとクヨクヨするほうで、『あれでよかったのかな』ってあとから考え込んでしまうタイプで。でも2年前から、万葉集の読み聞かせを始めていまして。千300年以上前に生まれたものですけど、今読んでも、すごくみずみずしい気がするんですよ。今を元気に生きることが大事、というのが背景にあって。過去をふり返りすぎる私に、前を向いて動いたほうがいいっていうことを教えてくれました。今は奈良の吉野で朗読会をしているのですが、少しずつ広げていきたいですね」

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