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04年に起きた、スマトラ沖地震での実話を基につくられた『インポッシブル』。瀕死の重傷を負いながらも、離ればなれになった家族との再会を祈り、生を諦めない母親、マリアをナオミ・ワッツが演じている。

なおみ・わっつ★

68年9月28日生まれ。イギリス出身。14歳のときに家族とともにオーストラリアへ渡り、女優の道を歩み出す。Jホラーのハリウッド・
リメイク『ザ・リング』(02年)の主演を務めたことでスター女優の仲間入りをする。映画『21グラム』(03年)で初めてアカデミー主演女優賞にノミ
ネートされ、本作で2度目のノミネートを果たした。

映画『インポッシブル』

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監督/J・A・バヨナ
TOHOシネマズ シャンテほか全国絶賛公開中
(オフィシャルサイト)http://gacchi.jp/movies/impossible/
(C)2012 Telecinco Cinema, S.A.U. and Apaches Entertainment, S.L.

 

――本作は、すでにいくつかの国で上映され、高い評価を得ていますが、どういう点が評価につながったとお考えですか? また、そのことへの率直なご感想をお聞かせください。
「真実を伝える作品はやりがいがあります。本を読むのも大事なことですが、映像はいちばん物事を伝えやすい。これは実際に起きた災害の話ですが、同時にサバイバルと家族の物語でもあります。私たちはつねに、災害時に自分がどう行動するか、なぜ生きたいと思うのかを考えます。これは全人類に共通することだと思います。そのような点が人々の共感を集め、評価につながったのだと思います」

――実在する家族の話を基につくられた作品ですが、本物のマリアさんと撮影前や撮影中、いっしょに過ごされたそうですね。どんなことを質問しましたか? 母、妻、人として学んだことはありますか?
「実在の人物を演じる時はプレッシャーを感じます。今回は、マリアが世間的に顔を知られているわけではないので、見かけや話し方に関しては気にしなかったけれど、彼女が家族を通して経験したことについては、多くの質問を投げかけました。どんな気持ちだったか、どんな思いを抱えていたかなど。そして、それをできるだけ忠実に再現しようとしました。人によってはトラウマだから、深く話したがらないけれど、幸いマリアは、経験談を正確にすべて話してくれたから、とても助けられました

――マリアが津波に襲われる水中の映像は、かなり臨場感がありました。撮影は大変だったのではないでしょうか? リハーサルも何度もされたのでは?
「今回、水中のシーンがいちばん撮影が大変でした。水中を数百メートル泳ぐ撮影が毎日あって、たくさんのスタミナが必要だったので、体を鍛えるトレーニングに励み、リハーサルを何度もしました。私はもう40代なので、とても疲労が重なりました。水を相手に演技するのがこんなに大変だとは

――夫役のユアン・マクレガーとは2度目の共演でしたが、共演のご感想をお聞かせください。
「ユアンは非常に才能のある素敵な俳優です。彼の表情がすべてを物語っていると思います。温かさが、目や表情からにじみ出ていました。また彼と共演できて幸運だし、幸せでした。残念ながら今作ではあまり共演するシーンがなかったけれど、近々また共演できることを願っています

――撮影で実際にタイのプーケットへ行かれたそうですが、自由時間は何をして過ごされましたか? 津波の爪痕や、影響を感じるときはありましたか?
「ドライブしているとき、警察のボートなどの残骸がまだ残っているのを見かけました。でも、人々が助け合う、コミュニティの存在を感じました。週末にはバーベキューやサーフィンをして、夜にはカクテルを飲んだりしましたよ」

――最後に、日本のみなさんに作品のPRをお願いします。
「すごくパワフルな作品だから、見てショックを受ける人もいるかもしれません。でも津波を体験してない人にも、いろいろと考えさせられるものが必ずあります。津波を体験された方々は、この映画をどう捉えられるか分かりませんが、共感してもらえる部分があるとうれしいです」

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