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児童虐待をテーマにした映画『風切羽~かざきりば~』で、母親から愛されずに育ったサヤコ(秋月三佳)と出会い、ともに自分探しの旅をする少し不思議な少年・ケンタを、戸塚純貴が演じている。

とづか・じゅんき★

92年7月22日生まれ、岩手県出身。第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで理想の恋人賞を受賞し、芸能界デビュー。これま
での出演作に映画『青いソラ白い雲』(12年)、『ヘルタースケルター』(12年)などあがる。現在、『仮面ライダーウィザード』(テレビ朝日系)に出演
中。

映画『風切羽~かざきりば~』

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監督/小澤雅人 
全国劇場公開中
(オフィシャルサイト)http://www.kazakiriba.com/
© 2013「風切羽」製作委員会

 

――完成作をご覧になっての感想をお聞かせください。
image「メッセージ性のある、深い脚本で、とても考えさせられる作品になったと思いました。自分が演じていると、客観的に見られないところもあるんですけど、この作品は何回、見ても飽きないというか。見るたびに違った見方ができる作品です」

――児童虐待がテーマなんですよね?
「サヤコは小さいころ、虐待を受けて、施設で暮らしているんですけど、そこでの暮らしがいやで逃げるんです。そして、僕が演じるケンタに出会います。ケンタも父親に虐待されていて。2人は状況が似ているんです」

――ケンタを演じるにあたって、児童虐待について調べたりしたんでしょうか。。
「本や映像で勉強しました。あと、地元の友達に状況が似ている子がいて、話を聞きました。そいつ、めちゃくちゃ明るいんですよ。すごく愛に飢えている子なんですけど、傍から見ていると、虐待されているようには見えない。でも『毎日、殴られているんだよ』って、さらっと言うんです。そういうのがすごく自分の心に残っていて、ケンタにつながっていったというか。でも、それらを参考にしつつも、1回、真っ白にして、素直に演じた部分があります」

――監督から何かアドバイスは?
「この映画は、小澤監督が出会った少女が基になってできた作品なんだそうです。撮影前、監督から、物語や役について、たくさん話をしていただきました。でもその分、本番ではあまり役についていわれることがなく、自由に演じさせてもらいました」

――この作品が、初主演作品となります。
「人としても、役者としても考えされられる映画だったので、主演という喜びはあとから来た感じです」

――同じ事務所の先輩でもある秋月さんとの共演ですが、演じやすい部分があったんではないですか。
image「それはすごくありました。過去に舞台で共演したこともあるので。いろいろ2人で話し合いをして。自転車に乗るシーンが多かったので、2人乗りの練習もしました。でも、1回目でけっこう上手に乗れたんですよ。それで『自転車2人乗りの才能があるな』と(笑)。学生のころ、毎日、普通に50分くらい自転車に乗っていたのが役に立ちました」

――撮影中の思い出はありますか。
「夜の撮影が多かったんです。午後8時ごろから撮影が始まって、明け方まで。それから家に帰って、寝て、また夜には撮影……っていう、真逆の生活でした。あとは、ケンカをするシーンがあるんですが、近所に住んでいる人が本当にケンカをしていると思って、警察に通報してしまって。どんどんパトカーがきて、大ごとになっていって。びっくりしました」

――この作品は韓国、チリ、ギリシアなどの映画祭にも出品されていますよね。
「本当に光栄です。デビュー1年目で出演した作品が海外に出品されるなんて、素直にうれしいです。自分のことじゃないみたいです」

――では最後に、作品のPRをお願いします。
「人間の生きる力を感じてほしい作品です。それと、個人的には『風切羽2』で、ケンタの人生の続編を作ってほしいですね。将来が気になる、そんなエンディングなので」

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