2013年、一大ブームを巻き起こしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の挿入歌「暦の上ではディセンバー」を歌ったことで、一躍話題となったアイドルグループ「ベイビーレイズ」。ライバルであるアイドルグループのライブ会場に突如乱入したかと思うと、“乗り込み!乗っ取り!!アイドル”を声高に叫び、ファンを魅了していく―
今回は、いまだ謎に包まれた彼女たちの等身大の姿に迫る!
―NHK連続テレビ小説『あまちゃん』での反響が大きかったと思いますが、メンバーの皆さんはそれぞれどのように捉えていますか?
【大矢】岩手県の皆さんと、そして『あまちゃん』のおかげで、たくさんの皆さんに「ベイビーレイズ」の存在を知っていただけたので感謝しかないです。なので、私たちの笑顔や元気を与えることでお返しできればと思います。
【傳谷】「暦の上ではディセンバー」をイベントで歌うと多くの人が集まってくれました。その様子を見ると、この曲が“愛されているんだな”と感じて。もっと大切に歌っていきたいと思います。そして、いつかは“ベイビーレイズの”「暦の上ではディセンバー」と言ってもらえるようになりたいです。
【林】先日、『あまちゃん』のロケ現場の三鉄の宮古駅で歌ったのですが、“あまちゃんの曲を歌った歌手”として歓迎してくれたので、それが嬉しかったです。
『あまちゃん』のドラマ、そして、岩手の皆さんのおかげでベイビーレイズは歌わせていただいていると思うので、大切にしていきたいです。
一生懸命歌って、チャンスをものにして前に進んでいこうと思います。
【高見】 毎回歌う時に緊張する曲です。“「暦の上ではディセンバー」をベイビーレイズが歌ってくれて良かった”と思ってもらえるようになりたいです。
そして、もっと多くの方に「暦の上ではディセンバー」と笑顔を広げられたらと思います。
【渡邊】やっぱり『あまちゃん』があったからこそ、「暦の上ではディセンバー」を歌わせていただけたと思っているので、これからも大切に歌っていきたいと思いました。
―この1年間で最も力を入れたことは何ですか?
【大矢】どのライブも全力で楽しんでいたので、選ぶのが難しいですが…
「東京アイドルフェスティバル」では告知なしで「暦の上ではディセンバー」を歌ったので、受け入れてもらえるか心配で緊張しました。
【傳谷】私はライブの歌とダンスです。その場その場に応じて歌い方やダンス、表現の仕方を変えて、「どう見られたいのか」そして、「どう感じてもらいたいか」というような“見せ方”を意識して歌とダンスを頑張りました。
【林】今年は、オープンスペースで歌うことが増えて、「ベイビーレイズ」を知っている方たち以外の通りすがりの方にも見てもらい、おじいちゃんやおばあちゃんなどさまざまな方に聴いていただけたと思います。もっとたくさんの方に聴いてもらえるように頑張りたいです。
【高見】MCの中では、私はすべり芸をすることが増えました。微妙な空気が流れることも多くて(笑)
とくに、北海道では気温が低いこともあり“つるつる”でした…反省します(笑)
けれど、それが好きというファンの方もいるので、これからも気合を入れてすべり芸を究めていきたいと思います!
【渡邊】今年は、ワンマンライブやイベントでCDをたくさんリリースできたので、その中で自分自身が変わっていくことができたと思っています。
とくに印象に残っているライブは、私たちが初めてライブに立ったイベントの「東京アイドルフェスティバル」です。
―ライバル視しているアイドルグループはいますか?
【高見】私とリコピンは「アイドリング!!!」のオーディションを受けて落ちているので、
私たちを落としたことを後悔させるように「アイドリング!!!」をかっさらう勢いで乗り込んでみたいです!
【傳谷】アイドルではないんですけど、ガチャリックスピンさんとセッションした時に、私たちのトレーナーさんが乗っ取られていることを愛夏情報で小耳に挟んだので、
もう一度奪い返しにいきたいと思います!(笑)
【大矢】自分のグループを考えた時に、「乗り込み!乗っ取り!!アイドル」と宣言してきて良かったと思う場面が多々あります。こんなアイドルいないじゃないですか(笑)
どんな場所でも、「乗り込みに来たぞー!」と言えば、どうにかなってきたので(笑)
本当に、このキャッチフレーズで良かったと思っています。
【高見】アップアップガールズ(仮)さんと気合いが似ていると思うので、ぜひ乗り込んでみたいと思います!
―大矢さんと高見さんは、モデルからアイドルに転身して難しいと思ったことや、逆にモデル時代よりもやりがいがあるな、と思ったことは何ですか?
【大矢】私はモデル時代から歌手になることが夢だったので、こうやって歌のお仕事をさせていただけることを嬉しく思います。モデル時代はシーンごとに決めの表情がありますが、アイドルは自然な笑い方や表情を求められるので、その点が難しかったです。
【高見】ポージングについては、アイドルは「ふふっ」という可愛らしいポージングが多いイメージですけど、私は洋服を見せるためにポージングを決めちゃうので「それはやめて!」とよく言われました。ただ、PV撮影のときはまたポージングが異なるので、そこではモデル時代のポージングの経験が生かされていると思います。
―林さんは「クッキングアイドルまいんちゃん」のモノマネが得意とお聞きしましたが、ご自身が目指しているアイドル像なのでしょうか?
【林】「クッキングアイドルまいんちゃん」を観た時に、たまたまお母さんと「可愛い声しているよね」と互いに話していて。私が「やってみるよー!」と言ってその場でモノマネをしてみたら、お母さんから「似てる!」と言われてからはじめました(笑)
あんなに可愛いアイドルになれるならなってみたいですけど…
まいんちゃんはいつも可愛らしい楽曲を歌っているけれど、私たちは今回初めて「恋」について歌っていて、私はそれだけで恥ずかしくて恥ずかしくて…難しいですね(照笑)
―渡邊さんは、握手会の際に他のメンバーとは異なるユニークな対応をされているそうですが、ご自身で毎回対応を事前に考えているのでしょうか?
また、なぜその対応をしようと思ったのでしょうか?
【渡邊】 (事前には)考えていないです。
【高見】 一種の遊びですね!
【渡邊】 メガネがあったらメガネを飛ばして、帽子の人は帽子を飛ばします!
【傳谷】 メガネの人が3人連続で来ると、三回メガネが流れてきます。
「どっちのメガネですか?」ってなりますよ(笑)
そして、メガネ・帽子・バックであれば、その順番に流れてきます(笑)
【大矢】 今までに一番大きかった物では、ピーコートが流れてきたこともあります!
―ファンの方にとっては嬉しいですよね!
【全員】 いやー、そんなことないです!皆さん困っています(一同爆笑)
【渡邊】 一番遠くに飛んだのは天然石のブレスレットでした。
リコピンを越えて、最後机の下に落ちてしまいました(笑)
けれど、握手会では私が一番最初に来ないと、それができないんですよ~。
―机の一番端のメンバーが大変そうですね…
【大矢】 そうですね。「ピッと」(手で止めて)フォローしなくちゃ(笑)
りおトンの一種の愛情表現です。
―傳谷さんは、当初、アイドルに興味がないことを公言していましたが(解散公約が決定して)現在改めてリーダーとして考えていることは何ですか?
【傳谷】最初は、アイドルにはなりたくなかったですし、勝手に苦手だと思っていて。
だけど、去年初めて「アイドル横丁」を見て、ファンの方とアイドルの距離が近いことを実感しました。ファンの方は近くで成長を見ることができて、そして、そこで心を通わせていることを知りました。握手会もどうしてやるのか分かりませんでしたが、互いに「ありがとう」と言える場と知って、大切なことなんだと思いました。アーティストとファンだと、どうしても遠い存在で憧れになってしまいますよね。アイドルだと近い距離で心を通わせることができると思っているので、虎ガーさんに恩を返す意味でも必ず武道館に行きたいです。
【高見】今では、一番アイドルです!ファンとの接し方が友達なんですよ!
【傳谷】 特別というより、大事な人はちゃんと大事な人じゃないですか。
敬語で話しますが、人見知りの人だったら自分から話しに行きますし、相手が話したい人だったら、話しを聴きます。ちゃんと一人ひとり“どういう人なんだろう”と思って対応しています。
―最後に、来年の抱負と挑戦してみたいことを教えてください。
【大矢】ベイビーレイズとして今年は必ず武道館に行く年なので、これからも加速して、ベイビーレイズらしく走っていきたいと思います。
【傳谷】今できる準備をひとつひとつ大切にしていきたいです。今年、サマーソニックで小さいステージに出させていただきましたが、まずは1万人規模のレインボーステージに立って武道館前に段階を踏みたいと思います。
【林】目標を達成できなかったということにはなりたくないので、武道館ライブを“絶対達成できるな”と皆さんに思ってもらえるように、パフォーマンスを頑張っていきたいと思います。
【高見】武道館に行くために今年は全国ツアーを11カ所まわりましたが、来年は47都道府県をまわってみたいです。とにかく何でも果敢に挑戦して、いろいろなものを吸収して武道館で爆発させたいです。
【渡邊】来年ではないですけれど…私はボーカロイドの曲がすごく好きなので、ボーカロイドのカバー曲を出したいです。あとは、武道館ライブ実現まで時間がないので、この一年間でいろいろな経験をさせていただいたことを生かしていきたいと思います。
☆集合写真の撮影の待ち時間には、終始、仲睦まじくじゃれ合う姿が印象的だったメンバー達。大矢が唐突に、「僕はプニプニです~」と高見の肩を掴んだかと思うと、腹話術のマネをしはじめ、現場の笑いを誘う一幕も。メンバーの仲の良さが写真にあらわれているエピソードです。