「いちばん最初の『とくダネ!』(フジテレビ系)登場のとき、いきなり小倉(智昭)さんから『アマタツー!』って呼ばれたんです(笑)」
気象予報士・天達武史さん(36)はそう語った。“アマタツ”の愛称が定着し、2年連続で『好きなお天気キャスター・気象予報士』ランキングで1位に選ばれている。野球少年だった天達さんが、気象予報士になろうと思ったのは22〜23歳になってからだ。
「デザイン学校に通いながらファミレスでバイトを始め、卒業後も続けていました。就職しようとは思いましたが、できることがなかった。学生時代からチャンスに打てないバッターでした。いつも大事なところでダメだったので、何か資格を取ろうと思ったんです」
ファミレスバイト時代の写真には、今の飄々とした風貌からは想像つかない彼の“ロン毛”姿が写っていた。そんなとき新聞で気象予報士講座を知り、体験授業を受けることに。これならできると思い半年コースの授業料をその場で払ったが、彼は理系が苦手だった。
「当時、付き合っていた彼女が理系だったんで、勉強の仕方を教わったんです。バイトの休みの日に12〜13時間勉強していたんですが、彼女に『そんなんじゃ身につかない。バイト前に1時間でもいいから勉強しよう』とダメ出しされて。図書館に通い始めました」
このとき背中を押してくれた彼女が、現在の奥さんだ。その後、1日2~3時間の勉強を1年間欠かさず臨んだ天達さんは、気象予報士試験に見事合格。受験7回目。初めての試験から足かけ4年が過ぎ、27歳になっていた。天達さんは笑顔でこう語る。
「親がすごく喜んでくれたのが意外でしたね。親父がはしゃいでいる姿を見たのが、いちばんうれしかったかな。その晩は親父と乾杯しましたね」