3人の男性を殺害したとして木嶋佳苗被告(37)に死刑が求刑されている”婚活殺人”事件の裁判員裁判。いよいよ4月13日に判決が下されるが、その判断は裁判員にゆだねられる。あくまでも無罪を主張し続けた木嶋被告。この100日に及んだ裁判の行方を、専門家はどう見ているのか。

刑法学者の板倉宏日大名誉教授は言う。「検察側は状況証拠を積み重ねて木嶋被告による犯行と断定し死刑を求めました。しかし、求刑どおりの判決は難しいでしょう。にわかに信じがたい木嶋被告の供述も、裁判全体を通して論理に矛盾はありません。きわめて不自然ではありますが、いちおう理にかなっています。”自殺や失火もありえない話”ではありません」

殺害したとされる3人のうち2人に関しては、警察も当初自殺と考え”物的証拠”になりうる練炭やコンロも押収せず、司法解剖もしていない。もう1人に関しても殺害を示す直接証拠はなく、3人の殺人容疑についてはまったく罪に問われないという可能性もあるというのだ。

「木嶋被告は売春や詐欺の過去を認めるなど、自分に不利なことも素直に話しているようにみせかけています。状況証拠が揃うなか、殺人を否認し続けてきました。彼女は供述が論理的に破綻することなく、したたかに公判を乗り切りました」(板倉教授)

弁護士の山口宏さんは、今回の判決の鍵は裁判員裁判制度そのものにあるという。

「職業裁判官なら過去の判例や経験値で『死刑』とするかもしれませんが。裁判になれていない裁判員には、木嶋被告は疑わしいだけという判断で『無罪』とする方もいるでしょう。たしかに世間には『彼女は無実だ』という人もいる。6人の裁判員のなかでも、無罪とする人が出る可能性もあります」

裁判員の意見が一致しないときは、最終的に多数決で決定される。裁判を取材してきた社会部記者は「状況証拠だけでの裁判に、裁判員たちは苦悩の表情をしていた」と語っている。相当な心理的負担を抱えた裁判員たちは、どう判断を下すのか? 13日の金曜日、木嶋被告は裁かれる。

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