「綾瀬さんはときどき『台本にないせりふなんですけど、会津弁ではどう言うんですか?』と相談してくることもありますよ」と語るのは、声優の新國弘子さん。彼女はNHK大河ドラマ『八重の桜』で、綾瀬はるか(27)たちに”会津ことば”を指導している。
「『このイントネーションで大丈夫ですか?』とか、『間違っていなかったですか』とか、せりふのひとつひとつを、綾瀬さんはいつも熱心に確認に来ますね」
そんな彼女は、ほかの役者から振られるドラマ撮影中のアドリブに対しても、とっさに会津弁でリアクションしているという。福島県郡山市出身の西田敏行の突然の振りにも対応できるほど、綾瀬の会津弁は上達しているようだ。
「出演者の皆さんは、ふだんから会津弁に慣れるように努力されていて、休憩時間などでも使われているのが聞こえてきます。『うんだけんじょ』(そうだけど)とか『くなんしょ』(〜をください、〜をしてください)とかの言葉が多いでしょうかね。あと『ありがとなし』(ありがとう)とか、『ごめんなんしょ』(ごめんなさい)という言葉も、よく現場で使われていますね」
綾瀬に加えて、兄役の西島秀俊(41)たち山本家の面々は、会津弁での会話も弾み、和気あいあいといった雰囲気だという。
「綾瀬さんは西島さんのことを『にし』(お前)と呼んだりしていましたよ」
『にし』は、本当は男言葉で、普通、女性は使わないというが——。
「西島さんの”にし”にかけて、ジョークで言っていたんだと思います。今も綾瀬さんは、兄の西島さんのことを『お兄ちゃん』と言ったり、会津弁で『あんつぁま』と呼んだりしていますね。まるで、本当の兄妹のように仲よくしています」
休憩中のジョークまで会津弁で通すぐらいに、綾瀬は”会津の八重”になりきっているようだ。