120年以上の歴史がある歌舞伎座が、約90年ぶりに完全建て替えし、いよいよ4月2日に開場となる。そこで、人気役者・片岡愛之助さんに、あらためて「歌舞伎の楽しみ方」を伺った。

「歌舞伎と聞くとみなさん『意味がわからなくて難しそう』とか『チケットが高い』とか、初めての方は特に敬遠しがちですよね。まずはだまされたと思って実際に見にきていただくのがいちばんだと思います。やはり生の迫力・ライブ感を体験してもらうのが歌舞伎を知るのに手っ取り早いです」

その際、席にもいろいろあり、別に席料が高いからよいとも一概にいえないという。全体や役者の立ち回り・舞台装置を広い目で見るには上の席のほうがよいし、役者の息遣いを間近で感じながら見るのであれば、前の方や花道そばもおすすめだ。

「初めて見るときは『イヤホンガイド』を借りていただきたいですね。この『イヤホンガイド』は舞台背景・台詞・衣装など、細かいところまで舞台を見ているのと同時に説明してくれるので、わかりやすくて歌舞伎初心者にはおすすめです」

そして「自分の好きな役者をぜひ見つけてください」と愛之助さんはいう。この人かっこいいなとか気になるなと思ったら、次はその人の別の歌舞伎を見に行く。役者は各地にある劇場を周っているので、地方を旅行気分で楽しみながらの追っかけはハマるはずだ。

「歌舞伎は同じ役を20代の若いときから70代になってもできる舞台。だから見る方も20年前はこうだったああだったと比べられる。長いファンの方はそんな楽しみ方をしていますね。それから同じ演目でも『○○屋』ごとに小道具や演出が違い、まったく別のものに感じるので見比べるのも面白いと思います」

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