「香川さんは猿翁さんの病室を何度も訪ねていました。病室では、6月から博多で始まる親子の共演舞台で、香川さんが演じる石川五右衛門役をどう演じたらいいのか、といった悩みも聞いていたようです」(歌舞伎関係者)

 1月下旬に肺炎で入院し、3月の『名古屋御園座さよなら公演』も休演した市川猿翁(73)。都内での入院生活は4カ月に及ぶ。本来なら6月2日から、息子である市川中車こと香川照之(47)と、猿之助(37)3人の襲名披露興行が博多座で行われる予定なのだが…。

「勘三郎さん、團十郎さんを相次いで亡くし、3月の猿翁さんはうつ状態。役者としても演出家としても自信と気力を失いかけていました。香川さんはそんな猿翁さんにアドバイスを求めることが、父の心身の状態を回復させことにもつながると考えていたようです」(澤瀉屋の後援会関係者)

40代で歌舞伎の世界に飛び込んだ香川は、いくら稽古を重ねても納得できず、困り果てて猿翁に相談した際、『たとえ恥をかいても無心にやれ。恥はやがて美しい雪景色となり、春を迎え雪辱戦となる。僕は信じている』という言葉にとても励まされたという。

「長年の確執を乗り越えた父子にとって、大事なとき父に助言を求めることが、かけがえのない時間なのでしょう。香川さんの悩みに答えるうち、猿翁さん自身も“まだまだ我が子に伝えることがたくさんある”と気持ちを新たにしたようです」(前出・後援会関係者)

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