弱冠30歳の小保方晴子さんを理研のユニットリーダーに押し上げ、寵愛してきた笹井芳樹教授(52)。STAP細胞をめぐって運命共同体となった2人の関係を苦々しく思っているのが、“リケジョ”の大先輩でもある理研の川合眞紀理事だ。
「川合理事は、自分の研究室がある和光市から小保方さんのいる神戸に出向き、自ら事情聴取をするなどして調査結果をまとめました。3月31日に理研の結論を小保方さんに直接手渡したのも川合理事でした」(理研関係者)
ところが、そんな川合理事に対し小保方さんは反抗的な態度を示したという。
「小保方さんは、再現実験に使えるデータの入った私物パソコンの提出を拒否するなど調査に協力的ではなかった。しかも理研に断りもなく会見を開いたことで、川合理事は相当苛立っていたようです。川合理事はある理研幹部に『もともと小保方さんは生理的に嫌いなタイプ。何かしでかす予感がしていた』とこぼしていたと聞きました」(同)
川合理事が20代のころといえば、女性研究者が珍しい時代。以前、新聞のインタビューでこう答えていた。
「(東大卒業後は)オイルショック直後でぜんぜん就職口がなく、そのため抵抗感なく研究者の道に。のちに理学博士になったものの5年間は研究機関を転々とした。不況だったこともあるけれど、仕事のできるポジションをもらえるまでが大変」
こうした苦労の末に日本を代表する研究者にまで上りつめた川合理事にとって、難なく理研のユニットリーダーの座を射止めた小保方さんの存在は、我慢ならなかったのかもしれない。
川合理事は問題発覚後の理研の会見で、「科学者としての倫理に反する振舞いがあった」「間違ったものを載せて気づかないのは科学者の良識からすると常道を逸している」とまで断じている。
「川合理事は、野依良治理事長の信頼も厚く、今回の件でも、小保方さんの聞き取り中、理事長と携帯電話で直接やり取りをしていたそうです。小保方さんが弁護士を連れて最終報告を聞きに来たことを後から聞いた理事長は、笹井さんと小保方さんの処分を厳しくするよう川合理事に伝えたといいます」(前出・理研関係者)
本来なら、毛利家の三本の矢のごとく、三者が共同で研究に血眼になるべきなのだが。
(週刊『FLASH』5月6日号)