連載第20回となる『中山秀征の語り合いたい人』。今回のゲストは、’13年、高視聴率ドラマ『半沢直樹』(TBS系)でオネエ口調の官僚役を演じて大ブレイク。その後も活動の場を広げ続ける歌舞伎役者、片岡愛之助(42)。今や新世代の歌舞伎を盛り上げるシンボル的な存在となった“ラブリン”の胸のうちに迫った。
中山「『半沢直樹』はヒットしましたよね」
愛之助「テレビで片岡愛之助って歌舞伎役者がいるんだと知って、歌舞伎座に何人来てくれたかなんて普通はわからない。でもあるとき、(市川)海老蔵さんとしゃべってまして、あの方のブログってすごいじゃないですか。それで『面白いからブログやったほうがいいよ』と言われまして」
中山「僕、すれ違っただけで撮られました。次の瞬間、ブログに出てましたよ(笑)。海老蔵さんに勧められたんですか」
愛之助「それでコメント欄ってあるじゃないですか。海老蔵さんは『つけたほうが面白いと思う』って言ってくれたんですけど、すごく勇気要りません?『やめちまえ』なんて書かれたらへこみますよ。でも一方通行じゃ意味ないなと思って、勇気出してつけたんです。ちょうど『半沢直樹』がはじまったくらい。すると『黒崎さんって歌舞伎もやるんだ』と(笑)。『初めて黒崎さんの歌舞伎見ました、こんな面白いもの、なんで今まで見なかったんだろう』って。ぼくがいちばん求めてた本来の姿が現れたんでうれしくて、それでほかのお仕事も一生懸命やるようになったんです」
中山「最終回の視聴率は42.2%ですもんね。あれは最初からオネエキャラ?」
愛之助「そうなんですよ。最初はわからなくて探り探りやってたんですけど、やってて楽しいんです。あんまりやりすぎると監督が出てきて、『もうちょっと抑えめでお願いします』(笑)」