俳優・大杉漣が、全国の町をゆる〜く歩く旅バラエティが『大杉漣の漣ぽっ』(BSフジ)。月に1度、原則として毎月第3日曜日に放送されている(8月分は17日午後3時〜)。

 風景をのんびり眺め、商店街では店の人たちに気さくに声をかけ、おいしそうなニオイにつられてお店に飛び込む。じつは、番組の進行のほとんどはその場で決められていくそう。それがまたゆる〜くていい感じ。

「番組のロケで、事前に僕が知らされるのは、場所と集合時間だけ。毎回『これを見つけたらゴール』という“指令”が出されるんですけど、どうやってそこまでたどり着くかは僕次第。『好きに歩く』というのが基本です。お店に入るときでも、僕が交渉して、スタッフに『OKが出たよ』と言うと、みんながぞろぞろ入ってくる。『普通、これってスタッフの仕事じゃないの?』と思うんだけど、そう気づいたのは番組が始まった後でした(笑)」

 気心の知れたスタッフたちと大杉の掛け合いも、番組の名物。お店に立ち寄るたびに、彼はスタッフの分まで自腹でコロッケやパンなどを買ってあげるのだ。

「近道があっても教えてくれないし、分かれ道で間違えたほうに行こうとすると『あ、そっちに行くんだ』なんて、突っ込みを入れてきたりする。愛情を込めて、僕をいじってくれてるんでしょうね(笑)。でも食べ物は、やっぱりみんなで食べたほうがおいしいじゃないですか。それでスタッフの分も、つい買っちゃう」

 地元の人たちと楽しそうに語り合う姿を見た視聴者からは「おしゃべり好きなんですね」と驚きの声も寄せられるそう。

「僕自身も前は人と話すのはちょっと苦手かな、と思っていたんですけど、番組が始まってからはそんなことないかも、と思うようになりました。雨の早朝ロケで、誰も人がいないということがあって。そこで編み出したのが、『モノに話しかける』という技です。ポストや木を相手に『雨の中、大変ですねえ』とか『何年、ここに立ってるんですか?』とかね。面白いでしょう?」

 無類の生き物好きで、路地裏で見つけたネコには、必ず声をかける。それで“助けられた”ことも。

「長崎で、なかなかゴールにたどり着けなかったとき、たまたま出会ったネコについていったら、ゴールに到着できたんですよ。『奇跡』といわれてます(笑)。せかせかしないで、路地裏の面白さを追いかけるゆとりと自由度も、BSならではかもしれません。番組を見て、自分も散歩に行ってみようかなと思ってもらえたら、すごくうれしいです」

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