「年を取り、夫や妻が亡くなって寂しい思いをしているなら、むしろ恋をした方がいいんじゃないかと。1人で生きているお年寄りたちに、そう言いたいですね」
“老いらくの恋”のススメを熱く語る、田原総一朗(80)。自身の著書『80歳を過ぎても徹夜で議論できるワケ』でも、田原さんは現在進行中の“恋愛”について告白している。彼は秘書を務める次女と共に、インタビュー取材に応じた。
「彼女は(彦根東)高校時代の同級生なんです。僕の高校はクラスに女性が少なかったんですが、彼女はマドンナ的な存在でした。でも当時は、好きだと言ったこともない(笑)。それが50代の頃に同窓会で再会。70歳を過ぎてからの同窓会で、彼女に『1回、食事に行こう』と誘ったんです。高校時代も美人でしたが、今でも“美しく老いたな”と思います」
お互いの家族からも“公認の仲”で、田原さんも娘2人に彼女を紹介済みだそう。「実は、彼女と食事するのに娘たちに、お店を予約してもらったりしているんです」と田原さんが言うと、同席した次女がこう明かす。
「父の方がたぶん彼女のことがすごく好きで、『彼女から嫌われたらどうしよう』と心配しているようです(笑)。だから、ご飯に行くのも『向こうの予定があるだろうから、こんなに誘って大丈夫?』とか、父はいつも私たちに聞くんです。本人はマメな性格ではないんです。でもおしゃべりはすごくしたい。家族としては父には元気でいて欲しいので、なるべく彼女に会ってもらいたいんです」
田原さんは照れ笑いを浮かべた。父の恋を、娘たちが強力バックアップしているのだ。 彼女とは結婚するつもりはなく、いまの関係を続けていきたいのだという。
「結婚も、一緒に住むことも考えていません。ただ、80歳でも、そういう女性の友達と食事ができるのは、僕はとても幸せだと思っています。相手は女性だから、こっちも見栄を張って“ちゃんとしなきゃいけない”と思いますから。それで僕は元気でいられるんじゃないですかね」
その瞳の輝きは、とても80歳とは思えないほど活き活きとして、まぶしかった――。