《中山秀征の語り合いたい人》、今回は’02年に世田谷パブリックシアターの芸術監督就任以来、「古典と現代の融合」「レパートリーの創造」を指針として掲げてきた狂言師・野村萬斎さん(49)。プライベートをたずねてみると……。
中山「何か趣味はあるんですか?」
野村「それを聞かれると、困るんですよね。普通のオジサンと一緒ですよ(笑)。家に帰って、ビールを飲んで、スポーツ番組を見て……って生活ですしね。深夜番組は好きですよ!『今はこういうのがはやってるんだ」とすぐに理解できる。最近衝撃を受けたのは、マツコ・デラックスさんのロボットのマツコロイド。現代感覚は深夜番組やバラエティ番組から得ているかもしれないですね」
中山「お笑い番組も見ます?クマムシや8.6秒バズーカーなど、リズム系がはやってますよね」
野村「数カ月前、ある舞台でクマムシの動きをちょっとだけ取り入れましたよ」
中山「早速ですね(笑)」
野村「僕、じつはコロッケさんが大好きで尊敬しているんですね。コロッケさんはネタの本質の捉え方が、ほかの芸人さんとはまったく違う。その舞台でものまねするシーンがあったので、ある歌手Aさんをまねするんじゃなく、Aさんをまねしているコロッケさんのまねをしたんですよ(笑)」
中山「ちなみにどなたを?美川憲一さん?」
野村「美川さんもやりましたね。あと、だんだんロボットになっていく五木ひろしさんをちょっとだけ(笑)。やってみると、パーツごとに動かすのは、狂言の考えにはなかったなと気付きましたね。体のパーツを分解して動きを教えると、弟子たちに教えやすいかなとか(笑)」
中山「なにも無駄にならないですねえ〜。根こそぎ身につけるんですね。今後の萬斎さんの活躍、期待しています!」