「今年の初めごろでしょうか。一恵さんが突然いらっしゃったんです。実は彼女に“一恵”と名付けたのがウチの住職。一恵さんは出されたお茶を飲みながら『やっぱりここのお寺に来ると心が落ち着きますね……』と感慨深げにおっしゃっていました」
そう語るのは、大阪市藤井寺市にある道明寺の関係者だ。世間を騒がせた福山雅治(46)と吹石一恵(33)の電撃婚。その半生を振り返るかのように、吹石は“一恵”と名付けたこの寺をひそかに訪れていた。道明寺は、菅原道真ゆかりの尼寺。ここには「吹石一恵」と書かれた柄杓が奉納されている。
「一恵さんが産まれて以降、お母様が毎年柄杓を10本奉納してくれます。もともとは、お母様がここでお茶の稽古を始めたんです。すると直後にご主人と結婚。一恵さんも実家に戻る際はよくお母様と立ち寄ってくれるのですが、このときはなぜかおひとりでした」
なんと家族ぐるみで通う道明寺は、吹石の両親の縁結びまで成就させていたのだ。吹石の父は、元近鉄バファローズ選手の吹石徳一氏(62)。一家で祈りを捧げて33年、結婚という人生の転機を前に彼女は感謝の想いを伝えに来たのかもしれない。
「お母様は『ご利益があった』と思っているかもしれませんね。この寺は縁結びにご利益があるというわけではありませんが、一恵さんのお陰で今後は縁結び寺になるかも(笑)」
だが吹石家が柄杓を奉納しているのは、道明寺だけではない。ネットではこの「吹石柄杓」の目撃情報が散見している。取材を進めた結果、確認できただけでもほか5つの神社や寺に奉納されていた。そんな秘愛成就の陰にあった“パワスポ霊地”を、本誌は訪れた。
●玉置神社
奈良県吉野郡にある玉置神社。世界遺産にも登録される由緒正しき神社で、吹石が奉納した柄杓の目撃談がもっとも多かった。関係者が語る。
「実は、縁結びの神様で有名な出雲大社の日本初の分院がうちに祀られています。簡単に言うと、出雲大社の第一号支店がここに置かれたということ。つまりここでも“縁結びの神様”であるオオクニヌシノミコトを祀っているということになります」
●葛井寺
藤井寺駅から歩いてすぐの葛井寺は、地元で「一発願掛け」として知られるお寺だ。手水舎を見ると、かろうじて「恵」の字が読み取れる柄杓が。寺の関係者はこう語る。
「うちの寺は、いよいよ困った方が最後にお参りすれば『一発逆転』のご利益を授けてくれると言われています。父・徳一さんの現役時代から奥さんが持って来てくださっていて、一恵さんが芸能界に入ってからは彼女の名前も。2~3年に1回ほどいらっしゃいます」
●瀧谷不動明王寺
富田林市にある瀧谷不動尊は日本三不動の一つといわれ、目の神様や芽の出るお不動様として信仰を集めている。吹石と名の入った柄杓は見当たらなかったが、関係者が言う。
「もう20数年前から一恵さんの祖母が柄杓を毎年年末に10本ほど奉納されると聞いています。ここは目に関するご利益があるといわれていますが、ほかにも “芽が出る”という意味もあります。つまり、何かを始める際にうまくいくというご利益もあるんです」
●誉田八幡宮
大阪府羽曳野市の誉田八幡宮は応神天皇陵に隣接しており、古市駅からすぐにある。ここにも吹石の名前入り柄杓が毎年10本、祖父母によって奉納されるという。関係者が語る。
「一恵さんがデビューするころから、一恵さんのおじ様とおば様が奉納してくださるようになりました。ここは結婚して家庭を持つことや子どもを産むことなど、家族を増やすことに関わりの深い神社。家族が増えることにご利益があると言われています」
●弓削神社
八尾市にある弓削神社は、物部氏の一族・弓削氏の氏神。手水舎に行くと使いこまれた“吹石柄杓”が。宮司はこう語る。
「吹石さんのおじ様とおば様は、もう20年ほど一恵さんの名前が書かれた柄杓を毎年奉納してくださっています。ここは長寿の神様を祀っていますので、本来は恋愛成就神社ではありません。しかし親族が一恵さんの幸せを願って奉納を続けてきた想いが、今回の素敵なご結婚へとつながったのではないでしょうか」
たしかに、これほど多くの柄杓を奉納し続ける一家も珍しい。すべては一恵の幸せのために――。各地に点在する柄杓には、そんな家族の願いが込められていたのだ。