「1月18日に放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)での4人の謝罪はとても痛々しく、ファンの間にも拭えないトラウマとして残ったことでしょう。つまり解散しなかったからといって『よかった。これで全て丸く収まった』とはならないのです」
そう語るのは、作家でアイドル評論家の中森明夫さん(56)だ。ひとまず解散は免れたSMAP。だが、今回の騒動で失ったものはあまりに多いという。完全復活のためには、何が必要なのか。中森さんに聞いたところ、こんな驚きの言葉が返ってきた。
「はっきり言って、もう以前のようなSMAPに戻ることは難しいかもしれません。それほど、4人の憔悴した様子はこれまでの“完璧なSMAP”というイメージを大きく変えてしまったと思います……」
SMAPはこれまでも森且行(41)の脱退、稲垣吾郎(42)や草なぎ剛(41)の逮捕などの危機に直面してきたが、その度に他のメンバーがフォローして乗り越えてきた。だが今回は、SMAPそのものに訪れた危機という点で大きく違う。メンバーに与えたダメージも、計り知れないものだったはずだ。ただ、その上で中森さんはこうも続ける。
「でも、だからこそ私はこうも思ったのです。『ああ、SMAPも人間なんだ……』と。そして、彼らが初めて垣間見せた弱弱しい姿を見ているうちに『頑張ってほしい』と願っていたのです。つまり、これからの彼らが目指すべき姿は“完璧なアイドル”などではなく、“生身の人間としてのSMAP”なのではないでしょうか」
昔のいいところを残しつつも、新たな一面を見せていく。それがSMAP再生のカギになるというのだ。
「ガチガチのスーパースターじゃなくてもいい。ときには弱いところや、みっともないところも含めて見せてくれればいいんです。たとえばローリングストーンズも過去にいろいろな事件がありましたが、それでも今も世界で愛され続けている。それは、人間としての魅力があるからです。だからSMAPも、もっとプライベートを出してもいいし、話せる範囲で今回の騒動も話せばいいと思う。彼らには、誰にも負けないほどの人間としての魅力があふれているですから――」
そして中森さんは「そんな新たなSMAP像を、ファンも求めているのではないか」と指摘する。
「ファンが知りたいのは、彼らの本音。たとえ失敗したとしても、それを包み隠さず真摯に伝えれば応援してくれるんです。それがファンというものですし、ファンにもそうあってほしい。アイドルって、本当にたいへんな仕事なんですよ。25年間、ここまで致命的スキャンダルもなくやってこられたことのほうが奇跡だと思います。だからメンバーも今回のことをいい転機だと捉え、新しい“人間SMAP”を見せてほしいですね」