「一世代前、私たちは姉妹をライバルや比較の対象としてみていましたが、今ではユニットとしてとらえるように変化しました。背景には人口減少、高齢化、経済不況といった社会状況が関係しています。そして、そんな互いを補い合い助け合うユニットである姉妹関係には次の4パターンがあると考えられます」
そう語るのは、精神科医の香山リカさん。提示してくれた4つの黄金パターンについて、さらに詳しく解説していただいた。
「1つ目はそれぞれの道を歩みながらともに成長する『切磋琢磨タイプ』。代表的な姉妹が『あさが来た』のあさとはつです。嫁ぎ先の商いが傾くなか踏んばり、新たな人生を歩む姉・はつの覚悟を見て、自由奔放な妹・あさも『私も』と事業に邁進します。互いに『お家を守る』という共通の信念を持ち奮闘し続けます」
さらに、仲のよい女友達のように互いを補い合う「親友タイプ」もあると香山さん。
「『アナと雪の女王』のエルザとアナは両親を亡くし姉妹で支え合います。妹のアナは姉を信頼し、姉も妹へ愛情深い。互いのことが大好きで一緒にいることがとても自然なタイプの姉妹です」
姉妹でともに力を合わせて1つのことを乗り越えていく「協力分担タイプ」もある。このタイプの象徴として、秋篠宮家の眞子さまと佳子さまを挙げる香山さん。
「お2人は模範的な若者イメージの象徴です。眞子さまは真面目な正統派優等生、佳子さまはカジュアルなファッションにも挑戦される、素直な自然派タイプ。姉妹で役割を分担され、ご公務もお2人で励まれています。皇族ならではの不自由さもあると思いますが、姉妹だからこそわかり合え、手を携えていけるのだと思います」
最後に香山さんが挙げたのは「ライバル超えタイプ」だ。
「たとえば浅田舞さんと真央さん姉妹。かつては同じ競技で競い合う正真正銘のライバルでした。昔のドラマであれば、姉が妹に嫉妬するという物語になったでしょう。私たちも比較して見た時期もあると思います。けれど実際にはどうでしょう。姉の舞さんは、天才肌の妹にコンプレックスを抱え、姉妹仲の悪さ、親への反抗という葛藤を乗り越えて別の道を歩みました。今はライバルという関係性を経て、互いにリスペクトする間柄。姉妹でライバル意識を持ち続け、常に比べ合いうまくいかない姉妹も多いですが、彼女たちのように乗り越えたときに最強の姉妹になります」
旬な女性の多くに姉や妹といった強い味方がいるが、精神科医としての現場でも「姉妹力」を強く感じることがあると語る香山さん。
「うつを患った女性で姉妹に救われた方が結構います。『姉が温泉に誘ってくれた』『韓流にハマりファンミーティングに2人で行った』と、夫や友達にも言えない苦悩を、サポートしてくれるのが姉妹であることも多い。イザというときに頼りになるのが姉妹。うつになったことも含め、存在を丸ごと受け止める懐の深さが友人とは違う。姉妹はライバルなんて言ってられない困難な時代がやってきます。姉妹力を自覚してさまざまな問題を乗り越えましょう」