「受かる子と落とされちゃう子の差は何だろうと分析するんです。何年かたって“あ、あのとき、子役だった人だ”という俳優さんがいたりしますよ」
そう話すのは、子役のオーディションを追うドキュメンタリー番組が大好きなAKB48、SDN48の元メンバー・野呂佳代(32)。ミュージカルのオーディション番組を見るうちに舞台に憧れるようになり、今回はミュージカル『アニー』(4月23日〜5月9日まで東京・新国立劇場 中劇場にて)に出演。
「主題歌『トゥモロー』も歌えるんですよ。歌の稽古で、9,000人から選び抜かれた子供たちのまっすぐな歌声に、涙が出そうになっちゃった。子供のパワーは本作の見どころです」
物語の舞台は1933年、世界大恐慌直後のアメリカだ。家も仕事もない人たちであふれ、誰もが夢や希望を失っていた。そんな中でも希望を失わず、孤児のアニーはいつか両親が迎えに来ると信じ、“明日になれば”と『トゥモロー』を元気いっぱいに歌い上げる。
野呂が演じるリリーは、アニーが暮らす孤児院の院長・ハニガン(遼河はるひ)と彼女の弟・ルースター(大口兼悟)との3人で悪事をたくらむ。彼女にとって、リリー役は素直に受け入れることができたという。アニーのように、今はつらくても、明日はいいことがあるだろうと逆境を切り抜けた経験がある、と。
「仕事でイヤなことがあって、立場的に我慢しなければいけない状況にあると落ち込みますよね。そういうときは私、とりあえず寝ます。で、朝が来たら考え込まずに無視して前進すればいい。“明日を信じて諦めない”という物語のキーワードは、とても響きます。誰の人生にも当てはまるのでは?」