「15年前のデビュー当時、今の自分がこんなにたくさんの素敵な人たちに囲まれているとは思ってもいませんでした」
そう語るのは、8月6日に35歳の誕生日を迎える俳優の浦井健治。舞台やテレビドラマで活躍し、「ミュージカルプリンス」と呼ばれて人気は不動だ。同じくミュージカルを中心に活躍する井上芳雄(37)、山崎育三郎(30)との音楽ユニット「StarS」の活動を通して、ミュージカルファンの裾野を広げてきた。
「6月の舞台『あわれ彼女は娼婦』の稽古場で、大先輩の中嶋しゅうさんが、栗山民也さんの演出を受けている僕を見て『おまえがここまでになって、うれしいよ』と言ってくださって。胸が熱くなりました。僕を見ていて育ててくださる方たちを大切にしなければ」
’04年に東京・帝国劇場でのミュージカル『エリザベート』のルドルフ皇太子役で注目を浴びた。その帝劇の大舞台で8月5日から初めての単独主演に挑む。人気少女漫画が原作の『王家の紋章』で、古代エジプトの少年王・メンフィスに扮するのだ。
「シルヴェスター・リーヴァイさんの楽曲、荻田浩一さんの演出という黄金タッグ!目、耳、体全体で躍動感を楽しんでいただけたら。絶対君主のメンフィスは元祖オラオラ系ではあるけれど、まっすぐでピュア。現代から迷い込んだキャロルへの愛を通して、男として成長していくさまを丁寧に演じますので、思う存分、世界観に浸り古代エジプトを堪能してください」
昨年の舞台版『デスノート』と同様、漫画大国である日本発信の本作も、世界に羽ばたく可能性を秘めた大作だ。
音楽活動でも、『エリザベート』『ロミオ&ジュリエット』など出演作品の楽曲や自身が作詞した新曲、劇団☆新感線の全面協力による楽曲を収録した1stアルバム『Wonderland』をリリース。9月には初のソロコンサートも。
「過去、現在、未来の自分を詰め込んだアルバムと、歌ありダンスありのミュージカル愛あふれるコンサート。どちらもおもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさと楽しさ満載です」
オフィシャルブック『アシアト』には書きためている自作の童話を収録。
「童話のどこか独特な雰囲気や空気感が好きで、妹が生まれたときに読み聞かせを自分の作品でしてあげたいと思ったのが創作のきっかけなんです」