“ポスト宮崎駿”といわれる新海誠監督(43)のアニメーション映画『君の名は。』の勢いが止まらない。公開から1カ月で、観客動員数774万人、興行収入は100億円を超えた。100億人の大台突破はスタジオジブリ以外のアニメでは初の快挙となる。
なかでも2回以上見たというリピーターの多さが話題だが、その理由は何度見ても“新しい発見”があるから。そこで本誌が発見した『君の名は。』がもう一度見たくなるトリビアを公開!
■三葉と瀧のスマホの機種が違う!
『君の名は。』は、飛騨の山深い田舎町・糸守町に暮らす女子高生・三葉と、東京の男子高生・瀧が入れ替わることで起きる、すれ違いの切ない青春ストーリー。新海作品に欠かせないのが携帯電話。『君の名は。』でもスマホが重要な役割を担っているが、よく見ると三葉と瀧の機種が微妙に違うのだ。この違いがストーリーの謎解きにつながってくるので、映画館ではチェックして。ちなみにスポンサーにサントリーがついているので、自販機にBOSSと書かれていたり、三葉が飲むのは「南アルプスの天然水」なのもご愛嬌。
■テッシーの部屋は“お宝”の山!
三葉の同級生で、ひそかに思いを寄せている機械マニアの勅使河原克彦(通称テッシー)。彼が所属する部室には、歴代の部員が集めたのだろう“宝”が山積みに。たとえば、ファミコン初代機にゲームキューブ、プレステ1、ゲームソフトの『メタル ギア ソリッド』が。さらに、ルービックキューブに、3Dメガネ、マジックハンドにピコピコハンマーまで。極め付きは、パソコンの名機といわれたシャープの「X68000」も。この細部へのこだわりが多くのリピーターを呼んでいるのだ。
■半月が重要なモチーフ!
月が出てくるシーンが多い『君の名は。』だが、そのほとんどが半月。飛騨高山に三葉を捜しに行った瀧が着ていたTシャツにも半月が描かれ、「HALF MOON」の文字が。半分が「入れ替わり」の象徴だったりするのかも。スクリーンで半月を見ながら想像をたくましくして。
■新海監督のひと言で生まれた『なんでもないや』
劇中音楽を手がけたRADWIMPS。サウンドトラック『君の名は。』は2週連続でオリコン週間アルバムランキング1位を獲得するなど、ブームは音楽業界も席巻している。劇中の盛り上がるシーンで流れるバラード曲『なんでもないや』は、作詞・作曲したボーカルの野田洋次郎に新海監督が言ったひと言でできたという。その経緯を新海監督は、「洋次郎さんにキーワードをもらえませんかと言われたので、『今になってようやく何かがわかった』というニュアンスの曲をお願いしますと。そんな僕の漠然とした言葉を、気持ちが君を追い越したというような歌詞にしてくれたんじゃないかと思います」と語っている。
■ゴジラ映画との不思議な縁
『君の名は。』とともにヒットしているのが『シン・ゴジラ』。実は、『ゴジラ』の1作目が公開された’54年に、同じく公開されたのが岸惠子主演で、真知子巻きで有名な『君の名は』(第三部)だ。ゴジラを抜いて興行成績でもこの年のナンバーワン作品となったが、アニメ『君の名は。』も『シン・ゴジラ』を興収で抜いているのは奇縁といえそうだ。