シンガーソングライター・ピコ太郎(53)が3日放送の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)で、今は亡き落語家・立川談志さん(享年75)とのエピソードを明かした。
番組では、昨年、全世界で巻き起こったピコ太郎現象の裏側を70日間独占密着。その中からピコ太郎がフランスの人気テレビ番組やラジオ番組に出演した模様や、フランスの観光名所で世界各国のファンから囲まれる様子を放送。
そしてピコ太郎は「20年前には音楽とお笑いの融合を誰も認めてくれなかった」として、「(プロデューサーの)古坂(大魔王)さんは、もともと音楽とお笑いが本当に好きで。両方プロになって混ぜたいなって、ずっと20年くらいから言っていたみたいで。でも両方(音楽関係者とお笑い関係者)から怒られていました」と語り、VTRで出演した古坂は当時をこう振り返った。
「お笑いのライブで音楽を爆音で流したかったんですよ。音楽とお笑いの融合って、雑誌とかで言いまくってて。(でも)お笑いの中ではカッコつけているというか、非難されたことがあって。あんまり関わり合いのない先輩の人たちから雑誌で(悪く)言われたり。会うと『音楽やってるような、中途半端芸人は』みたいなことをすげぇ言われたり」
当時の古坂のこだわりはお笑いの世界で受け入れられず、賞レースなどに出ても評価されなかった。
「お笑いの舞台上にシンセサイザーを持ち込んで、爆音で流しながらコントをするんで、人によって好き嫌いが分かれたんですね」
そんな中、後の人生を大きく左右する出来事が。それはNHK「爆笑オンエアバトル」に出場したときのこと。優勝を狙い、古坂は得意の音楽ネタで挑もうとしたが「やめときなよ、そんなネタ」と周囲やスタッフは大反対だった。だが古坂は意地もあり音楽ネタを披露することに。反対を押し切り、優勝を狙ったネタだったが結果は10組中9位と惨敗。
しかし、立川談志さんだけがその可能性を認めてくれた。ステージの裏で見ていた談志さんは収録後、古坂に「パーッとやって、パーッと終わる感じがいい。イリュージョンだった。わけわかんないけど、見たことない。自由にやりゃいいんだよ。誰もやってないってことは、それがお前の才能なんだ。誰に何を言われてもやり続けろ。いいな」と言葉をかけてくれたという。
その談志の言葉に、古坂は「『やり続けろ』と。『いいんだ、いいんだ。別に他が何を言おうとも』って。ありがたいなと思って」と感謝。PPAPの魅力に誰よりも早く目をつけたのはジャスティン・ビーバーではなく、談志だったことを明かした。