「僕が大阪から東京に来た目的のひとつは、吉本新喜劇を見に行こうとも、見に行かへんとも思っていない興味のない方に、『こんなんあんのか?』と知ってもらうことでした。東京で今年も公演できるなんて、ホンマに、感無量です」
そう語るのは、吉本新喜劇の“広告塔”を自任する小籔千豊(43)。自身にとっては、コンビ解散後、芸人として再起する場となったのが新喜劇。その恩返しをしたいという思いを結実させた東京公演が今年で4回目を迎える。
「’06年に座長に就任してすぐ、新喜劇を東京でも見てもらえるようにすべきだと思ったんです。当時、新喜劇は名古屋から東にはほとんど知られていない。マーケットが半分しかないもんって、それはあかんだろう、と。そこで思いついたのが、吉本の劇場ではない、ふだん演劇などが上演される劇場でやらせてもらうことでした。おかげさまで動員数は毎年増えて。東京のテレビでも新喜劇が放送されたり、(酒井)藍ちゃんの女性初、史上最年少の座長就任がニュースで大きく取り上げられたり。僕が東京所属になりたてのころは考えられないことですよ」
広報活動の成果をかみしめつつも、さらなる高みを目指す小籔座長。思い描く新喜劇の笑いとは?
「新喜劇=ギャグ、というイメージを持たれている人も多いと思います。でも僕は、いい意味で新喜劇くさい部分に固執しないというか、初めて見た人でも笑えるものを作ることを心がけてきました。池乃めだかさんもよくおっしゃるのが、『ギャグよりもすじで笑いを取れ』と。僕はそれこそが新喜劇の肝だと思っていて、先輩の教えに従っているだけです。また、藍ちゃんに続く将来の座長候補を育て、アシストをしていくことに努めて、大勢の人に愛着を持っていただけるような新喜劇を追求していきたいと思います!」